ギックリ腰への整体。

ギックリ腰への整体。

ギックリ腰への整体で、施術効果は個人差があります。

ギックリ腰、腰椎伸展の改善(女性)
ギックリ腰、腰椎伸展の改善(男性)
ギックリ腰、腰椎伸展の改善(若い男性)

矯正前後の写真はコチラ

個人差による施術への影響。

整体は、患部への負荷を減らし、痛みを改善させるものです。

ですが、痛みは以下のことがあると整体後も痛みが残る傾向にあります。

・損傷度の強い。
・痛みの閾値の低い。

そう言われると、

「整体に通う理由は?」

と思うかもしれません。

ギックリ腰の整体は、痛みの改善以外にも防御性収縮の反応を減らす為に活用を勧めます。

ギックリ腰の経験者は、強い痛みの経験からこの反応が残る人が多く、患部が修復しても痛みが残る傾向にあります。

これは無意識に傷めた部位をかばい動きを制限しようと筋肉を硬めようとする筋疲労によるものです。

例えばギックリ腰の経験者は、傷めてから数年経過しても椅子に座る過程でさえ、腰に手を添えたり、腰を曲げないように座るという事が見て取れます。

日常生活でこのような事を無意識におこない続けてしまいます。

これは痛みの不安から起こる反応です。

防御性収縮が強く残こるほど、それを修正するのは簡単ではありません。

ギックリ腰への整体は、痛みの改善だけではなく、防御性収縮をでにくくさせる為にも活用を薦めます。

また、患部の損傷が骨格に歪みと関係している場合、患部が回復する過程で骨格の歪みが強いほど、以下のことも影響します。

・患部の痛みが強くなる。
・ギックリ腰が再発しやすい。
・ギックリ腰が改善しにくい。

これらを防ぐ上でも整体の活用を勧めます。

歩けない程の痛み

歩けない程の痛みや痛みが強い場合、痛みの原因は椎間板の損傷や骨折(圧迫骨折や疲労骨折)で生じていることもあります。

整体ではそれらを判断できることはできません。

このような場合、MRIやCT検査の設備がある病院で診察を受けることを薦めます。

X線検査では、椎間板は映らない為に状態を知ることはできません。

X線とMRI画像による違い。(外部サイト)

ギックリ腰になったお客様への整体は、痛みの原因によってはすぐに改善しない場合があります。

以下をお読みください。

ギックリ腰とは

ギックリ腰とは、一般名称で医学的には「急性腰痛」と呼ばれています。

何かの動作で急に痛みが発症する腰痛です。

重い物を持った時にだけに発症するのではなく、ちょっとした動作で発症する事があります。

以下の動作での発症があります。

ギックリ腰の発生例

〇日常的な何気ない動作で腰を軽く捻っただけで発症。

〇洗顔時や靴下を履く時などの前かがみの動作で発症。

〇寝起きの立ち上がりで発症。

〇クシャミで発症。

痛みの強さ

ギックリ腰での痛みの強さは個人差があります。

軽い痛みで済む人もいれば、立てない程の激痛になる方もいます。

その痛みは患部の損傷度に比例しますが、痛みに影響することは他にもあります。

そして、損傷が軽度でも痛みを強く感じることがあり、以下の事が影響します。

痛みの閾値が低い。
・ギックリ腰の経験者で防御性収縮が強い

また、これらは治りにくさにも影響します。

つまり、これらを予防する事がギックリ腰の痛みを改善させる上で大切になってきます。

痛みの経過

ギックリ腰の痛みの経過は、重症なほど治りが遅く、軽度であれば1週間ほどで痛みだいぶ治まることもあります。

立てない程の痛みであったとしても、湿布を張るだけでの保存療法のみで1ケ月程度で治ることもあれば、ある程度まで痛みが改善してもそこから治らない人もいます。

痛みが改善しない理由は、

・閾値の低下。
・防御性収縮が強くでている。
自己治癒力が低い。
・日々の生活から生じている損傷部位への疲労の積み重ね。

また、この痛みが長期化すると脳が痛みを錯覚し、患部は修復し治っているけど痛みが続くという事もおこる事があります。

心理的要因による腰痛とは、コチラ

ギックリ腰の痛みの原因。

ギックリ腰の原因は、筋肉の損傷だけではなく、様々な原因があります。

・筋肉の損傷。
・椎間板の損傷。
・抹消神経の損傷。
・圧迫骨折や剥離骨折。

椎間板の損傷。

椎間板の損傷は、過負荷による損傷や経年による負荷の積み重ねで損傷します。

椎間板は、背骨の骨と骨の間にある線維軟骨です。

役割は、主に3つです。

・背骨に動きをもたらす。
・脳への衝撃を和らげる。
・支柱としての働き。

素材は、ゲルで水分は7~8割程度です。

この椎間板は、腰が屈曲するような猫背をしていると後方に膨らむようになります。

これは、椎間板の中にある髄核が後方へ移動していく為です。(図右下、下図参照)

椎骨後方変位による腰椎ヘルニア
図:椎間板の突出

この髄核への圧が何度も繰り返されると線維輪を破壊していき、後方へ膨らみます。(下図参照)

図:線維輪の破壊(標準整形外科学より)
図:椎間板の破壊(標準整形外科学より)

膨らんだ状態がヘルニアと呼ばれます。

腰椎ヘルニア

腰椎ヘルニアという病気は、髄核の後方移動によるものです。

また、一度線維輪が損傷した椎間板は修復されることはありません。

損傷させるとその後の人生は劣化した状態で使うことになります。

この椎間板には神経が通っておらず、もしくは極度に少ないと言われています。

椎間板損傷による痛みは損傷に伴った周囲の炎症と言われています。

その為、椎間板は修復しなくても炎症が収まれば痛みは治まっていきます。

また、ヘルニアが重症化すると下肢にシビレや痛み、内臓の機能低下もあります。

椎間板に負担をかけすぎると20代で椎間板が薄くなってしまう人もいます。

また腰部の筋肉が硬くなると椎間板への圧を強め、劣化を早めます。

筋肉を緩めておくことも大事です。

できるだけ健康長寿を伸ばすには、歩けることが大事です。

定期的に整体を受け腰のケアをする事やセルフケアで腰部のストレッチで疲労を和らげる事は、健康長寿を長くするために大切になってきます。

抹消神経の損傷

抹消神経の損傷は、神経障害性疼痛と言われ、難治性です。

痛みは、ヒリヒリ(灼熱感)、チクチクやピリピリ(電気刺激)などがあります。

抹消神経は、脊柱管内の脊髄神経から分岐して臓器や筋肉、皮膚などに向かう神経のことです。(図参照)

腹腔内の腰神経叢、大腿神経、閉鎖神経

その神経の経路は主に筋肉の間を通ります。

例えば、座骨神経はハムストリングス、梨状筋などの筋肉と接しています。

座骨神経の位置
図:座骨神経。

これらの筋肉が硬くなると神経を圧迫します。

座骨神経が牽引されるのは、股関節の屈曲で、膝を伸展するとさらに牽引(ストレッチ)されます。

通常、健康的な神経であれば、このような動作をしても神経には柔軟性があり起こりにくいのですが、筋肉に圧迫が加わることで神経の遊びが減少しているために、痛みを感じます。

また、これは以下の病気でも同じことが起こります。

・椎間孔の狭窄。
・腰椎ヘルニア。

圧迫骨折や剥離骨折。

強い腰痛を経験しているとこのような圧迫骨折や剥離骨折が起きても、いつもの腰痛と思い、その後自然修復しているという方がいるようです。

骨折なので事故や外部からの刺激によるものと思われがちですが、圧迫骨折はクシャミや運動時の背骨への圧迫で破壊される事があります。

また、剥離骨折は、筋肉の付着部である骨が筋肉の張力や収縮による力に負けて骨折する事があります。

整体での施術。

急性期でのギックリ腰への施術は、傷めたばかりの急性期とそれが経過した後の回復期での施術方法は異なります。

ギックリ腰への整体は個人差があります。

整体の効果は個人差があります。

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確認事項

整体を受けても筋肉の損傷や神経の損傷が即座に治る訳ではなく、それによる痛みは残ります。

また、椎間板の損傷や圧迫骨折は、説明したように修復することはありません。

ギックリ腰への整体は、患部への負荷を減らし痛みを改善させるものです。

ですが、損傷度や痛みの閾値の低さ、防御性収縮のの有無によって痛みの感じ方は、人それぞれです。

圧迫骨折やつぶれた椎間板の修繕は、病院での外科手術があります。

ただし、手術においては周辺に脊髄神経がありリスクを伴うものです。

痛みが回復せず激痛でない限り手術を回避した保存療法の選択が一般的です。

急性期

急性期とは、患部の損傷度にもよりますが、傷めてから2週間迄の期間を言います。

この時期の静止痛は損傷部位の炎症による痛みです。

腰が動くような動作をすると痛いのは、傷ついている部位への牽引や圧迫の刺激によるものです。

急性期でのギックリ腰への整体は、痛みが軽度であれば損傷部位への施術も少し行います。

ですが、痛みが強い場合には損傷部位への施術は行いません。

痛みが強い場合の施術は、損傷部位と繋がる筋肉を緩めて損傷部位への負担を減らし痛みを和らげていきます。

損傷部位と関連する筋肉が硬いと動作時の痛みを強くします。

それは硬くなった筋肉が損傷部位へ牽引や圧迫を加えるためです。

整体は、それを改善させる施術になります。

そして、痛みが強いと防御性収縮が強くでて、患部は治ってもそれが継続することがあります。

整体を受けることで、それも緩和できます。

防御性収縮

防御性収縮は、痛みへの不安から患部を固定しようと筋肉が過剰に働くことです。

腰や股関節を動かす時に腰が痛くなるのではないか?という不安が起きます。

そして大殿筋であれば、その筋肉が使われる動作を怖がるようになります。

そして、次第に股関節の伸展能力が低下し、可動域も減少していきます。

ギックリ腰の経験者は、股関節の動きが硬い方が多いです。

これは痛みによる不安によるものなので、できるだけ痛みの回復を早める必要があります。

むくみの緩和

患部に負荷となっているものは、筋連結のある筋肉だけではありません。

むくみもあります。

損傷した筋肉からそれを修復しようと血液が集まります。

患部を治そうと集まった血液ですが、患部周囲の筋肉が硬いと筋肉が血管を圧迫し臓に戻りにくくなります。

戻りにくい血液は、血管から染み出し間質液となり患部周囲に停滞し、むくみが生じます。

こうなると患部近辺の皮膚の中では、硬く太くなった筋肉とむくみによって腫れがつよくなります。

皮膚が腫れると皮膚のつっぱるので関節の可動域を減少させます。

また、皮膚の中での患部への圧迫も強まり、腰を動かしにくくさせます。

整体は、硬い筋肉を緩める施術で、むくみを抑えることに役立ちます。

損傷部位(抹消神経)への施術

抹消神経は、筋肉の側を通り、それぞれの器官や組織に向かいます。

患部や患部周囲の筋肉は、先ほどの損傷部位(筋肉)ので説明したように硬くなります。

筋肉が硬くなれば、炎症を起こした神経への圧迫や牽引を強めてしまい、動作時の痛みに繋がります。

抹消神経の牽引痛への整体。

筋肉と併走している神経は、筋肉がストレッチされると同時に神経もストレッチされ、ストレッチされると痛みます。

下の図は座骨神経で、この神経は立位前屈のように膝を伸ばして前屈するとストレッチされます。

座骨神経の位置

神経が損傷している時に神経が伸ばされれば痛みを感じます。

この末梢神経のストレッチによる直接的な痛みの改善は、整体では行えません。

整体での改善を見込める施術は、神経の圧迫からおこる間接的な牽引によるものです。(以下参照)

抹消神経の圧迫

抹消神経の圧迫は、以下の痛みに影響します。

・損傷した神経への直接的な圧迫による痛み。
・損傷した神経の遠位部の圧迫による神経の牽引による痛み。

直接的な圧迫

抹消神経は、筋肉の間を通り、損傷部位と接触する筋肉が硬くなれば、傷ついた神経を圧迫し痛みが増強します。

この場合、神経は筋肉の下を通るため、筋肉を体の中心に押し込むような押圧だと神経も圧迫し痛む為、押圧の向きは横から加えます。

遠位部の圧迫による牽引。

神経には遊びがあると説明しました。

遊びがある為に、立位前屈を行っても神経がちぎれることはありません。

抹消神経で遠位部での圧迫が多いほど、神経の遊びがなくなってしまいます。

例えば、輪ゴムの両端を持ち牽引する場合と短くつまんで牽引する場合では前者が伸びます。

この途中でつまんでしまうものが筋肉のコリで、これが増えるほど動作時に神経への負荷が強くなります。

整体では、遠位部のコリを緩めてこの負荷を減らし、動作時の痛みを改善させていきます。

椎間板損傷への施術

椎間板には神経がない、または少ないために椎間板が損傷しても痛みは感じにくいと言われていますが、痛みを感じることがあります。

そして椎間板の線維輪を破壊が進行し、髄核が後方移動し腰椎ヘルニアになった場合でも、痛みが出たり、出ないこともあります。

痛みが出る原因は、以下の部分が炎症を起こしている事が理由です。

痛みが出る理由。

・線維輪周囲の後縦靭帯や関節包をヘルニアが圧迫し炎症。
・腰椎の椎間孔付近で脊髄神経から分岐した抹消神経の神経根を圧迫し炎症。

つまり、椎間板の突出が主な原因です。

整体での施術は、このヘルニアを抑える整体を行います。

腰椎ヘルニアへの矯正。

腰が後ろに曲がるような猫背(下図中央、右図)姿勢を繰り返す事で、髄核が後方へ移動する力が働き

ゲル状の椎間板が変化していき、ヘルニアが生じる事があります。

詳しくは、椎間板ヘルニアの生成で説明しています。

椎間板ヘルニアへの整体は、飛び出たヘルニアを凹ます施術が必要です。

図:L4椎間板ヘルニア。

上図では、L4椎間板の突出ですが、これを凹ます矯正は、後方から前方の向きに力を加える必要があります。

矯正方法は、いくつかありますが、後方変位への矯正力の高いドロップベッドがあります。

詳しくは、「カイロプラクティックの矯正」で説明しています。

骨折後の施術。

痛みの原因が骨折による場合は、整体を受けてもそれが瞬時に修復される事はないため、急性期における整体の施術で痛みが改善することはありません。

ただし、骨折をした場合、周囲の筋肉が硬くなり、骨折した箇所から近い関節に動作時痛がでます。

骨折してギブスをとり、動作時痛がなかなか改善しないのはこのためです。

動作時痛の改善は、この硬くなった筋肉を緩める事が必要です。

整体では、硬くなった筋肉を緩めていき、動作時痛を改善させていきます。

回復期

患部は修復過程で硬結している為、それを少しづつ緩める施術を取り入れます。

回復期への施術は、急性期に行う施術に加えて、患部の硬結を緩める施術を少しづつ取り入れます。

また、急性期にこのような施術を行っても、その傷が即座に治ることはないため、それによる痛みは残ります。

損傷している部位への施術は、急性期を過ぎた時から少しづつ始めます。

ギックリ腰の施術目的

冒頭でも触れましたが、ギックリ腰への施術は、痛みの改善もありますが、防衛反応を起こさせない為にも必要です。

ギックリ腰に限った話ではないですが、防衛反応が強くでると患部が修復していても、痛みが残ることがあるからです。

そうなった場合にそれを修復するのは、体が無意識で行っている事もあり、簡単ではありません。

修復には、認知行動療法と同じように、無意識の恐怖心がなくなるように意識的な運動やストレッチの継続が必要になってきます。

運動する時間がない、運動が嫌い、めんどうくさいくて続けられないなど運動習慣がない方は、難しい問題です。

よくある質問

お客様の質問で「ギックリ腰は整体で改善しますか?」

という質問があります。

痛みの原因が椎間板の損傷によるもの以外であれば、痛みの改善は見込めますが、整体では検査をするすべがない為に「整体を受けてみない事にはわかりません」が答えになります。

治らないものにお金を費やすことは辛いことです。

この場合、病院でMRI検査を済ませていると医師により炎症部位の確認が行えます。

この場合、整体で改善が見込めるものは、回復期において硬くなり筋疲労を起こした痛みの改善となります。

ですが、整体の矯正ですぐにこのヘルニアがゼロになる訳ではありません。

また、腰椎ヘルニアが作られる原因となる姿勢不良の改善も要があり、整体を受けて改善させてそれをよりよくする為には姿勢の修正も必要です。

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