ギックリ腰への施術で大切なこと
ギックリ腰への施術は、防御性収縮起こさせないことがとても大事です。
腰を痛めた場合
「時間経過と共に治るだろう」
と思い、思ったように治らずに回復に時間がかかった場合、防御性収縮の反応が強く残りやすくなります。
そうなってしまうと腰痛は慢性化しやすくなります。
防御性収縮は、無意識に患部を保護しようと動作時に患部周囲の筋肉に力が入る反応です。
損傷初期の急性期にこのような反応をでることで動作を控えることになり悪化の予防につながります。
ですが、回復過程でこの反応が強いと患部に圧迫や牽引の力が加わり、回復が遅れ痛みも強くなります。
そして、痛みが強いとそれだけ防御性収縮の反応は強くなり悪循環となり、腰痛が慢性化します。
この反応は、患部は修復しても残ることが多く、それにより以下の悪影響が残ります。
防御性収縮
防御性収縮は、痛みへの不安から患部を固定しようと筋肉が過剰に働くことです。
詳しくは、コチラで書いています。
例えば、腰や股関節を動かす時に腰が痛くなるのではないか?という不安が起きます。
股関節を動かす際には、腰の筋肉も連動し働きます。
例えば、ギックリ腰を起こしやすい筋肉に多裂筋があります。
多裂筋は大殿筋と筋連結があり、大殿筋の役割に股関節の伸展(後ろに足をける行為)があります。
この筋肉が使われる動作を怖がり、次第に股関節の伸展能力が低下し、可動域も減少していきます。
ギックリ腰の経験者は、股関節の動きが硬い方が多いです。
また、ギックリ腰で強い痛みを経験した人ほど傷めてから何年もたっているにもかかわらず、以下のぎこちない動作が見てとれます。
・椅子に座る過程で腰に手を添える。
・腰を動かさないように体を動かす。
このような無意識の反応をなくす為には、できるだけ痛みの回復を早める必要があります。
防御性収縮が残ることでの悪影響
・疲労感を感じやすい。
・痛みを強く感じやすい。(痛みの閾値が低下)
・再発しやすい。
・骨格に歪みが作られる。
防御性収縮は、関節動作に不要な筋肉まで収縮することになり、筋肉に不必要な負荷が加わり故障しやすくなります。
この反応が身についてしまった場合、これを正すのは簡単には治りません。
体が無意識に行っている反応のためです。
修正には、腰痛を治すことに加え、無意識の恐怖心をなくす必要もあります。
その為には意識的な運動やストレッチを継続的に行なう必要があります。
こうような場合に、以下のように考えている方は運動習慣がない方です。
・運動する時間がない。
・運動が嫌い。
・めんどうくさい。
ギックリ腰への整体は、これらの要素を減らすために活用を薦めます。
ギックリ腰への整体。
施術効果は個人差があります。
矯正前後の写真はコチラ。
個人差による施術への影響。
ギックリ腰は整体を受けて全ての人が改善するとは言えません。
それはギックリ腰の原因が骨折や骨の変形などによる場合もあるからです。
また施術効果は他にも、個人の体質の影響を受けます。
ギックリ腰の治りやすさに影響しる個人の体質は、以下のものがあり、これに当てはまることが多いほど治りにくくなります。
・損傷度が強い。
・痛みの閾値が低い。
・自然治癒力の低い。
・運動不足。
・日々の疲労が強い。
そう言われると、
「整体に通う意味はあるの?」
と思うかもしれません。
冒頭でも書いたように、ギックリ腰への整体は、防御性収縮の反応を減らすことが大切です。
また、整体の施術によって以下の効果を高めます。
・痛みの軽減(特に動作痛)
・改善を早める。
・再発予防。
歩けない程の痛み
歩けない程の痛みがある場合、その原因は筋挫傷ではなく神経の圧迫や骨折(圧迫骨折や剥離骨折)である可能性があります。
整体の検査では、これらを判断することはできません。
これを判断するには、病院でのMRI検査やCT検査が必要です。
その設備のある病院で診察を受けることを薦めます。
X線(レントゲン)検査では、椎間板や筋肉は映らず、椎間板や肉離れの状態を知ることはできません。
※X線とMRI画像による違い。(外部サイト)
ギックリ腰とは
ギックリ腰とは、一般名称で医学的には「急性腰痛」と呼ばれています。
腰をひねったり、中腰で重いものを持ったりした時に腰に激痛が走ったり、腰部に違和感を感じた後に痛みがジワジワ強くなっていきます。
また、重い物を持った時にだけに発症するのではなく、ちょっとした動作で発症する事があります。
以下の動作での発症をよく耳にします。
ギックリ腰の発生例
〇日常的な何気ない動作で腰を軽く捻っただけで発症。
〇洗顔時や靴下を履く時などの前かがみの動作で発症。
〇寝起きの立ち上がりで発症。
〇クシャミで発症。
痛みの強さ
ギックリ腰での痛みの強さは、個人差があります。
軽い痛みですむ人もいれば、立てない程の激痛になる方もいます。
その痛みは患部の損傷度に比例しやすいですが、痛みに影響することは他にもあります。
損傷が軽度でも痛みを強く感じるタイプの人は、以下の事が影響しています。
・痛みの閾値が低い。
・ギックリ腰の経験者で防御性収縮が強い。
また、これらは治りにくさにも影響します。
つまり、これらを予防する事もギックリ腰の痛みを改善させる上で大切になってきます。
痛みの経過
ギックリ腰で痛みの治りやすさは重症者ほど遅くなりますが、同じような痛みや症状でも1週間ほどで痛みがだいぶ治まる人もいます。
また、ある程度まで痛みが改善して、そこから治らない人もいます。
以下の理由があげられます。
・閾値の低下。
・防御性収縮が強くでている。
・自己治癒力が低い。
・日々の生活から生じている損傷部位への疲労の積み重ね。
・筋力低下
また、痛みが長期化すると脳が痛みを錯覚し、患部は治っているにもかかわらず痛みが続く心理的腰痛に変わる事もあります。
心理的要因による腰痛とは、コチラ。
このようなことが重なっている人の場合、整体の回数を増やすか、一時的に腰に負荷のかかる事を止めるか、減らす事も必要になります。
整体頻度
ギックリ腰による痛みが軽度な方で、1回の整体で痛みが改善する人でも、初回を含めて2週間以内に2~3回は整体を受ける事を勧めます。
これは、痛みの改善に加え再発しやすい体質を改善させるる為でもあります。
ギックリ腰の再発予防には、骨格の歪みに対して以下が大切です。
・歪みを正すこと。
・歪みを減らす生活。
骨格の歪みがあると脳は無意識に歪みを減らそうと働きかけます。
その補正は筋肉が行っておりますが筋疲労が生じやすく、治りにくさに影響し再発しやすくなります。
骨格の歪みをつくる原因は日常生活にありますが、その日常生活を変える事は簡単ではありません。
整体で骨格の歪みを減らすことで一定期間、再発しにくくなります。
また、その後もお客様の体質により来院間隔は異なりますが、定期的な来院を勧めます。
骨格の歪みを減らす生活
うるまカイロでは、ギックリ腰の再発予防のために初回から1ケ月以内の来院を続ける方には3回目まで以下のことを施術後にお話ししております。
・姿勢改善。
・体幹の強化。
・動作時の腰の負荷を減らす体の使い方。
定期的な来院。
定期的な来院間隔は、週1で済む人もいれば、2ケ月に1回程度で済む人もいます。
来院間隔は、以下の事が当てはまる人ほど来院間隔を狭めて整体を受ける事を勧めます。
・閾値の低下。
・防御性収縮が強くでている。
・自己治癒力が低い。
・日々の生活から生じている損傷部位への疲労の積み重ね。
・筋力低下。
これまでのギックリ腰の経験者をみる限り、症状が辛くなった時だけ来院する人と定期的に整体を受けるている人は、そうでない人より普段の腰痛は減っています。
整体を定期的に受けていても上記のことが当てはまることが多い人は、再発することがありますが、腰を再度傷めたとしても軽度で済みやすく、治りは早いです。
整体での施術。
ギックリ腰への施術は、急性期と回復期では異なります。
急性期:患部の損傷度に異なりますが、傷めてから2週間程度の期間。
回復期:急性期が過ぎたあと。
諸注意事項
整体を受けても筋肉の損傷や神経の損傷が即座に治る訳ではなく、それによる痛みは残ります。
また、椎間板の損傷や圧迫骨折は、説明したように修復することはありません。
ギックリ腰への整体は、患部への負荷を減らし痛みを改善させるものです。
ですが、損傷度や痛みの閾値の低さ、防御性収縮のの有無によって痛みの感じ方は、人それぞれです。
圧迫骨折やつぶれた椎間板の修繕は、病院での外科手術があります。
ただし、手術においては周辺に脊髄神経がありリスクを伴うものです。
痛みが回復せず激痛でない限り手術を回避した保存療法の選択が一般的です。
急性期
急性期とは、患部の損傷度にもよりますが、傷めてから2週間迄の期間を言います。
この時期に行うギックリ腰への整体は、痛みの原因が損傷である場合、施術を行なっても損傷部位が即座に治ることはないため、損傷部位が発する痛みは残ります。
この時期への整体は、以下のことを目的におこなっています。
・回復を早める。
・動作痛を和らげる。
・防御性収縮を抑える。
・張りやむくみの改善。
損傷部位には動作時に牽引や圧迫の刺激が加わり痛みが生じます。
また、この時期は静止していても痛みを感じることがあり、それは損傷部位の炎症によるものです。
この時期への整体は、痛みが軽度であれば患部へ軽めの施術も行うことがあります。
ですが、痛みが強い場合には損傷部位への施術は行いません。
痛みが強い場合の施術は、損傷部位に圧迫や牽引を加える筋肉を緩めて損傷部位への負担を減らし動作痛を和らげていきます。
硬くなった筋肉は、損傷部位へ牽引や圧迫を加えて動作時の痛みを強くさせます。
張りやむくみの影響。
損傷した部位は腫脹し、その周囲はむくみが生じることがあります。
むくみや腫脹は、疼痛増強と関節の可動域を減少に繋がり、むくみや腫脹は以下のことが原因で生じます。
・患部に血液が集まりすぎる。
・動作時の筋収縮による筋肥大。
・筋疲労による筋肉のコリ。
・筋肉のコリによるむくみ。
患部に血液が集まりすぎる。
損傷部位は、そこを修復しようとして血液が集まり腫脹します。
腫脹すれば患部に圧迫が入るため痛みが強くなります。
動作時の筋収縮による筋肥大。
腰を動かす動作をすると、その動作に必要な筋肉は収縮し筋線維は太くなります。
その筋肉が損傷している筋肉と接しているならば、損傷部位に圧迫が加わることになり痛みが生じます。
筋疲労による筋肉のコリ。
損傷した際は、動作をすると損傷部位に圧迫や牽引が加わると痛みが生じるために、無意識にそこを固定しようとします。
要は関節を動かすと痛いので動かしたくないのです。
関節を固定する役割は、筋肉の収縮ですが、それが何度も繰り返されると筋疲労によるコリが生じやすくなり、コリが生じれば患部の痛みとは異なる痛みが生じます。
筋肉のコリによるむくみ
損傷部位をかばうために、周辺の筋肉はのコリが生じ、筋肉は硬くなります。
血管は筋肉の間を通っており、筋肉が硬いと血管を圧迫し血液の流れが悪くなります。
血液の流れが悪くなると、血管から間質液が染み出して患部周囲に停滞し、むくみが生じます。
こうなると患部周囲にある皮膚の中は、硬く太くなった筋肉とむくみによって皮膚はつっぱってきます。
皮膚が腫れると関節の動作時には皮膚がさらにつっぱる為に、関節の可動域を減少させます。
そして、皮膚の中で患部の腫脹、患部に隣接する筋肉のコリ、むくみが生じることになり時間経過と共に痛みを強く感じるようになっていきます。
急性期への当院の整体では、患部周囲の筋肉を緩めて、このような影響を抑えていきます。
またご自身でも患部にアイシングをおこなうことで、この影響を抑えることもできます。
ぎっくり腰経験者は、傷めた瞬間の違和感で後日痛みが強くなることはわかると思いますので、違和感を感じた直後は痛みが弱くてもすぐにアイシングをおこなってください。
回復期
回復期への施術は、急性期に行う施術に加えて、患部の硬結を緩める施術を少しづつ取り入れます。
また、その施術はギックリ腰の原因に合わせて行います。
ギックリ腰の原因は、それぞれ別で書いています。
・筋肉の損傷によるギックリ腰。
・椎間板の損傷によるギックリ腰。
・神経の圧迫や牽引によるギックリ腰。
・圧迫骨折や剥離骨折によるギックリ腰。