防御性収縮とは
防御性収縮とは、過去に強い痛みを経験し、その際に痛みが強くなった動作に不安になり、その動きを止めようと無意識で行ってしまう筋肉の反応(収縮)です。
手術後の痛みによる反応として現れることが多いようです。
ですが、手術に限らず強い痛みを経験したことがある人にも起こる事があります。
この防御性収縮は、患部が修復した後でも、この反応が残ることがあります。
そして、傷めた筋肉が働くような日常生活の動作でも起こるようにもなります。
また、この反応は整体の徒手検査や施術中のお客様の反応でする為にわかります。
患部を動かすだけで筋肉が強張り、それを感じることができます。
ですが、お客様自身はその反応が起きている事に気づいていない事が多いです。
それが顕著にわかる症例として、四十・五十肩、ギックリ腰の経験者です。
例:四十肩、五十肩
四十肩・五十肩の人は腕を上にあげる事ができなくなる症状です。
痛みと比例してその痛みを恐怖します。
そして、腕に痛みが出る前から肩の筋肉に力が入れるようになります。
力が入る筋肉が腕を上げる筋肉であれば良いのですが、下げる筋肉に力が入ります。
そうなると腕を上げる筋肉に負荷がかかり、痛みが生じやすくなります。
例:ギックリ腰
ギックリ腰の経験者は、腰の筋肉が働くことに不安を感じるようになることがあります。
傷めた腰の筋肉が働くことに不安を覚え、腰の筋肉を固めて動かさないようになります。
椅子に座る際など腰を曲げる姿勢で不必要に筋肉に力が入り、ぎこちない動きをします。
このような動作は、必要以上に腰の筋肉を疲労させ、コリを生じさせる為に痛みを感じやすくなります。
また、通常の関節痛や腰痛や肩コリで強い痛みを経験した人も、このような反応をする人もいます。
防御性収縮の悪さ
防御性収縮の反応をする方は、必要以上に筋肉が収縮する為に痛みを感じやすくなります。
また、そうでない人に比べて治りにくい傾向にあります。
その理由は、日常生活でも必要以上に過去に痛めた筋肉を守ろうと無意識に筋肉が収縮するからです。
筋肉が収縮する時間が長いと筋肉が疲労しコリが作られ、関節を動かす際に収縮する力が強いと関節に負荷をかけます。
通常、筋肉は使う時だけ収縮し、使わなければ弛緩(しかん)します。
この交互の働きで血流を促す作用をもっています。
ですが、この反応が起こる人は、過去に痛めた部位の筋肉が収縮する時間が長くなり、血流の補助作用を得られにくくなります。
そうなると筋肉のコリを整体で緩めても、その後の生活で防御性収縮が起きる為にコリを再発させていきます。
防御性収縮の治し方。
このような働きを治す方法として
・コリを緩める。
・痛みがでる動作時に意識して力を抜く。
・患部筋力の増強や柔軟性の確保。
・体幹の筋トレ。
・認知行動療法。
これらを継続して行う必要があります。
認知行動療法
まずは、痛みがでる動作の動きで可動式を小さくし、痛みがでない範囲でその動作を繰り返します。
これを10回の3セットほど行います。
そして、可動域を少し広げていき、これを10回の3セットほど行います。
これを繰り返していきます。
また、それと併用してゴムやウェイトを使って軽めの負荷で同じ動作を行うのも良いです。
このような動きを繰り返し、何も起きないことを脳に植え付けていくという方法です。
整体の役割
整体を継続して受けると動作痛は弱まり、防御性収縮は減ります。
また、負荷をかけやすくなり、改善を早めることに繋がります。
ただ、防御性収縮を完全になくすには、動作によって痛みがでない事脳にインプットさせる必要があるため、整体を受けることに加えて、上記のことも加える必要があります。