質の良い睡眠の為にできる事

質の良い睡眠の為にできる事

睡眠の為にできる事として、睡眠時間の確保を思い浮かべる人が多いと思います。

適度な睡眠時間は、一般的には7~8時間程度と言われています。

この7~8時間を気にして、

「あまり睡眠時間がとれなかった。。。」

とマイナス思考が働いている人がいます。

ですが、世の中にはショートスリーパーと呼ばれる睡眠時間が短くても済む人がいます。

有名な人

明石家さんま:2時間。
孫正義(ソフトバンク創業者):3~4時間。
日野原重明(医師) :4~5時間
モーツァルト:5時間。

また、逆に睡眠時間を長くとらないと調子が悪いという人もいます。

有名な人では、

大谷翔平:12時間。
アルベルト・アインシュタイン:10時間。
タイガーウッズ:10時間。
白鵬:16時間。

このように、必要な睡眠時間は皆同じではなく、質の良い睡眠がとれたかが大切になてきます。

睡眠とは

そもそも、睡眠とは何の為に行うのでしょうか?

それは、疲労回復の為です。

この疲労は、肉体疲労だけではなく、脳疲労も含みます。

そして、睡眠不足で疲労回復できないと、

・集中力が低下する。
・飽きやすくなる。
・日中、食後でもないのに眠気やだるさがある。
・持っているパフォーマンスをだせない。
・免疫力の低下。
・ツーンとした体臭になる。

などが体に出始めます。

もし、これらを日常的に感じていると、睡眠が足りていないのかもしれません。

そして、睡眠不足で怖いのは免疫力の低下です。

免疫力が低下していても、なかなか気づくことができせん。

免疫力チェック:外部サイト(大正製薬)

眠いけど

「気合で乗り切るぞ~!」

毎日がんばっていると後々、大病に発展しないとも言えません。

私が思うに睡眠は、健康を考える上で一番大切なものと考えています。

その質の良い睡眠の為にできることは、大きく分けて3つあります。

・睡眠姿勢
・環境
・睡眠に入るまでの過程

です。

睡眠姿勢

睡眠姿勢は、

大きく分けて

・うつ伏せ
・横向き
・仰向け

と3つありますが、特にうつ伏せ寝が良くありません。

うつ伏せ寝

うつ伏せの何が体に悪いのか?

まず、呼吸の為に顔が極端に右か、左を向きます。

長時間の同じ姿勢は癖(歪み)を作る。

猫背の姿勢を長期間していると、それが体に染みつきますが、うつ伏せ寝も同じように骨格を歪めます。

その影響は特に頸椎の一番上の骨であるC1に影響を与えます。

顔を横に向ける動作では、7つある頸の骨の内、頭蓋骨と関節を持つ頸椎(C1)が大きな回旋角度(40~45度)を持っています。 

C1以外の頸の骨の回旋可動域は、3~7度ほどしかありません。

そして、このC1の歪みは、体に悪い影響を与えるリスクが高い骨です。

この骨の周囲には大事な神経があり、歪みで神経が圧迫されると体の不調を起こすリスクが高くなります。

※骨格の歪みを作る要因は、筋肉のコリによる左右差、椎間板内の髄核の移動や移動や損傷があります。

※C1変位のリスクは、コチラで書いています。

また、うつ伏せ寝は睡眠後の寝違いを起こしやすい姿勢です。

寝違いは、このような歪みに加え、筋肉が長時間ストレッチされ続けることでも起こります。

ストレッチされ続けると筋肉の間を通る血管も圧迫し、その周囲の血流を悪くしコリを生じさせます。

その時間が長くなるほど、椎間板の変形やコリが強くなり朝目が覚めた時に痛みが生じます。

うつ伏せ寝以外は寝ずらい。

うつぶせ寝じゃないと寝れないという人がいます。

できれば改善した方がよいのですが、変えようとして、入眠するまでの時間が長びいたり、何度も目が覚めてしっては逆に良くありません。

やめられない人は、やめられない理由を考えてみる。

または、習慣的に適度な運動をしてその悪影響を緩和させたり、整体などで歪みを改善させることを薦めます。

うつ伏せ寝をやめられない理由

うつ伏せ寝を好む人は、何か理由があるのかもしれません。

以下の理由が考えられ、これらを改善する事でうつ伏せ寝を改善できる可能性があります。

・お腹を冷やしたくない。
・不安がある。
・寝具が合わない。
・背中の張りが強い。

解決策は、上から順に

・腹巻をする。運動をして血流を良くする。
・何が不安なのか考えて、それを解決する。
・寝具を変える。
・姿勢を改善する。定期的に整体でほぐす。

若いうちは、回復力が強いですが、年齢が増えるほど簡単には良くなりません。

できるだけ早めに修正することを薦めます。

横向き

睡眠中で大切な事は、疲労回復を得ることですが、その為には寝返りをする事も大切です。

その為、横向きで寝る時間も必要です。

ですが、同じ方向で長時間寝ていると腰や首の骨格を歪めます。

例えば、下図のように右肩を下にして横向きで寝る姿勢。

横向き寝のリスク
横向き寝のリスク

この場合、ベッドに接触している体幹部の骨は、肋骨と骨盤になります。

お腹周りも接触しますが、睡眠中の筋肉は弛緩するので腰椎はベッド側に落ち込み腰部の側弯が作られます。

また、枕の高さによっては、頸椎の側弯も作られます。

仰向け

睡眠姿勢で一番よい姿勢は、仰向けです。

その理由は、うつ伏せや横向きと違い、骨格の歪みを作ることが少ないからです。

仰向けで寝ても、ベッドや枕の質が体に合っていないと歪みを作ります。

仰向けでベッドに眠るとベッドと接触する部分は、頭、背中、骨盤、両手、両足と多いので接触部に加わる圧は分散されます。

ただし、枕をしない、枕が高い、ベッドが硬すぎる、柔らかすぎるなどは歪みを作る為、寝具選びは大切です。

ですが、猫背で背骨の柔軟性が少ない人や脱力する事が苦手ない人がいますが、そのような方は、ある程度柔らかいベッドの方が圧を分散することができます。

全ての人が同じ硬さや厚さの寝具でよい訳ではありません。

寝返り

人によっては、寝返りをせずに眠ってから朝起きるまで同じ姿勢という人もいますが、寝返りはとても大切です。

寝返りは、睡眠時に体の血流を促す為に無意識で行われますが、それができない理由は

・筋力が弱い。
・寝具が柔らかすぎる。

ことが考えられます。

寝返りができていないと血流が滞り、寝起きから体が痛くなりがちです。

特に寒い季節に室内が寒いと布団の外に出やすい首や肩は冷える為、目覚めから首や肩が痛いというとが起こりがちです。

睡眠環境

睡眠環境には、

・寝具
・心室の空間

があります。

寝具の基本。

寝具選びは、簡単ではありません。 

個人の体質に合わせて寝具の硬さや枕の高さは異なるからです。

そして、個人の体質は体調や加齢により変化していきます。

ダメな例、3選

①枕なし、高枕のどちらもストレートネックを誘発させる。
②堅い所で寝続ければ、背骨の生理的湾曲は失われる。
③柔らかすぎるベッドは、寝返りをしずらい。

背骨の生理的湾曲

背骨の生理的湾曲とは、下図のように首と腰は正面に向かって反り、背中はやや後ろに曲がっているというものです。

以下は、その個人の体質とベッドの硬さについて補足します。

硬すぎる寝具の影響。

ベッドが硬いと下図のように腰の前弯が腹部の重みで押しつぶされてしまいます。

それが長時間続けば、腰部の前弯が減少する原因の一つになります。

硬すぎるベッドと平背。

また前弯減少は、日頃から腰を丸めた姿勢を長時間行うことも原因です。

気づきにくい例として、ソファーにもたれかかって座る姿勢があります。

このような腰痛前弯の減少は、腰痛や腰椎ヘルニアのリスクを高めます。

猫背体質と硬いベッド。

硬すぎるベッドは基本的にダメですが、寝返りをしやすくする為にある程度の硬さが必要です。

ただし、猫背体質の人で背骨の柔軟性が低い人はある程度、柔らかいベッドが適しています。

背骨の柔軟性があれば、硬い所で寝ても背中は伸びるのですが、柔軟性が低く猫背の人は、猫背がキープされたまま(下図参照)となり、背中の圧迫が強くなり背中の血流低下が起きます。

硬いベッドと猫背。

ただでさえ猫背で背中が硬くなっているのに、さらにコリを増長させます。

また、圧迫感が強く睡眠の質が下がりがちです。

これは、若いうちはよいですが、加齢が進み体が硬くなると影響は大きいです。

柔軟性の低さの要因には、体質や運動不足、加齢があります。

また、加齢や運動不足で筋肉が減少は、筋肉を硬くさせ体を支えようとします。

筋肉が硬くなると柔軟性は減少し、関節の可動域も減少します。

このようにして強い圧迫は背中にコリを作り、睡眠の質を下げ、寝つけにくい、寝ていても目が覚めるという事が起こりやすくなります。

また、整体で背中が緩まると眠りやすいのは、こういった理由があります。

ただし、このような場合、根本にある原因を改善できていなければ、効果は一時的なものです。

効果を維持するには、ベッドの質を変えたり、生活習慣の改善、整体を定期的に受けるなどが必要です。

柔らかい寝具の影響。

ベッドが柔らかいとベッドに接触する部分が増えて圧迫感は減りますが、下図のように体幹部分はベッドに深く沈みこみます。

これは、猫背と似ている姿勢となり、それが長時間続けば猫背を体に覚えさせることになります。

それによって猫背による首や肩、背中、腰への痛みがでやすくなります。

ただし、猫背で背骨の柔軟性が低下している人の場合は、このような柔らかめのベッドがかえって良いのですが、それを補うことをしなければ、体は歪んでいく一方です。

結局、どのベッドが良いの?

このようにベッド選びは、猫背や体の柔軟性によって変わります。

ですが、猫背や柔軟性は変化するものであり、それにより寝具の質による寝つけやすさが影響を受けます。

その為、体質の変化で寝具が合わなくなることがあります。

寝具選びは、長期間同じものを使用できるものではなく、変化させられるものを選んだ方が良いです。

無理して高級な寝具を買うと、体に合っていないにもかかわらず、体に良いと思わない訳にはいかないという事があります。

永続的に寝具を調整してくれるショップもあると聞きますが、その都度そのショップに通えないと意味がありません。

基本となる寝具は、柔らかさを基準に選ぶのではなくある程度硬いものを選び、硬さで寝ずらい場合には、その上にマットなどを足して調整できるものを方法を薦めます。

マットは、厚さや硬さを選べる種類が多いです。

体調に合わせて、マットを足し引きする前提のベッドを薦めます。

枕の条件

体に不調がある場合の枕選びは、難しいものです。

不調な時に

「この枕が私には合っている!」

と思い、数万もする高い枕を買ったにもかかわらず、調子が良いのは最初だけ、という話をお客様からよく聞きます。

このような経過は、心理的なものとベッドと同じく体質の変化によって枕の条件が変わる事で起こります。

心理的な要因

心理的な要因とは、高いものは効果が高いという思い込みです。

それがプラスに働いて症状がよくなるプラシーボ効果です。

プラシーボ効果とは、病院の高名な先生から、これは高い薬で、よく効きますよ!と言われて処方されがものが、実際にただの飴でも、効果がでるというものです。

この影響はとても大きく、最大50%の人が影響を受けたという研究を何かで読んだ記憶があります。

これを利用した商売が良いのか、悪いのかは、個人の価値観の違いによります。

当院の整体は、他と比べると安く提供している為、この影響は少ないと思います。

症状の改善が、思い込みによるものだけだった場合、症状が元に戻るのは必然です。

枕の硬さ

枕の硬さ選びは、ベッドの硬さの選び方と同じです。

硬いと寝返りがしやすく、柔らかいと寝返りがしくくくなります。

ですが、硬すぎると頭の形が変わることもあるほど、圧迫感で寝ずらくなりがちです。

枕の高さ

高枕、枕なしはストレートネックを誘発させます。

一般的には頭が枕に載った時に枕の高さは10cmほどが良いと言われています。

ただ、猫背体質で背骨の柔軟性が低い人でベッドが硬く、枕が低い場合には、顎が突き出る形となり頸椎C1の前方変位を誘発させ、とてもよくありません。

基本的には、寝返りがしやすくかつ眠りやすい高さ、これを基準にします。

また、枕の高さはベッドの硬さの影響を受けます。

ベッドが柔らかいと体が沈み込み、枕の高さ+ベッドの沈み込みが実際の枕の高さになります。

寝室の環境

以下の3つが基本です。

・清潔感
・遮光
・遮音

さらに高みを目指す方は、アロマ(精油)でリラックスするのも良いと思います。

清潔感

寝具や部屋が汚いとカビの発生やダニが生息し始めます。

睡眠時に喉の違和感やかゆみが生じると睡眠の質が下がります。

遮光

人の生活リズムは、動物としての本能があり、目に光が入って脳が覚醒し、1日のリズムが始まるようになっています。

その為、質のよい睡眠を得る為には、そのリズムが大事で、睡眠中に暗いと不安で眠れないという理由がないのなら暗くした方が良いです。

厚生労働省が発信しているeヘルスネットに、体内時計の記事がありました。

体内時計とは、コチラ(外部サイト)

遮音

動物にとって睡眠中の物音は、危険を察知する為に必要な情報です。

その為、物音がすれば目が覚めます。

人にもまだそのような能力が残っている為、個人差がありますが、音がない方がよく眠れます。

睡眠に入るまでの過程

先ほど、遮光の所でも触れましたが、動物には体内時計や生活のリズムが備わっています。

個人差はありますが、人は目が覚めて3時間後に最も脳が覚醒し、8時間後には脳の動きが鈍くなる。

そして15時間後に眠くなるというリズムがあります。

また、入眠するには、自律神経である副交感神経が働くことが必要不可欠です。

その為に入眠するには副交感神経が優位である事と、交感神経が落ち着いている必要があります。

副交感神経を優位にするには、リラックスする事が大切です。

睡眠と関係しやすい交感神経の働き。

交感神経が優位になると覚醒します。

入眠するには、交感神経を落ち着かせることも大切です。

以下は、日頃行いがちな交感神経を働かせるものです。

睡眠前は控えることを薦めます。

・睡眠前に目に光をいれない、スマホやテレビを見ない。
・カフェイン摂取を控える。
・寝る前に運動をしない。

また、イライラや日々のストレスは交感神経を刺激します。

そのような傾向にある人は、心の制御も必要です。

ストレスについては、コチラ(当院の肩こり、片頭痛サイト)で詳しく書いています。

また、定期的に書いているきじポ~新聞でも頻繁に触れています。

まとめ

寝具の影響で睡眠の質が低下することを書いてきましたが、皆が皆同じ寝具で良いわけではありません。

うちは整体をしてますので、お客様から寝具を変えたという話をよく聞きます。

そして、値段が高いベッドや枕を買ってみて、使い始めから1ケ月は良かったけど、元の症状に戻ったという話がほとんどです。

文中でも書きましたが、これは、その時の体の柔軟性や歪みによって睡眠中の寝心地が変わるためです。

ベッドを購入した理由は、体に何かしら不調や寝つけにくさがあったことが理由だと思いますが、体の不調がよくなると、そのベッドが体に合わなくなることがあります。

高級なベッドを症状改善の期待を込めて奮発して買っても、体質が改善し症状がよくなればそれが体に合わなくなる事もあります。

ベッドや枕は、後で硬さや厚さを変えられるような寝具を前提に購入する事を薦めます。

最後に

睡眠不足は、不調の原因に大きな影響を与えます。

睡眠不足は、背中のコリや寝具の影響以外にも日頃のストレスも関係しています。

どちらにしても、よく眠れるようにするには、今現在の何かを変える必要があります。

そしてストレスが強すぎると改善が見込めない場合もあるかもしれません。

その場合は、お薬に頼るのも一つの手です。

お薬は、副作用もありますが、副作用のリスクより睡眠不足のリスクの方が大きい為、薬が苦手でない限り病院で相談することも必要です。

それに加えてお薬が減らせるように体質改善も行う必要があります。

また、背中の歪みや筋肉のコリは、仰向けで眠ると背部に圧迫を感じ、それが違和感となって睡眠を妨げていることもあります。

そのような場合は整体でコリや歪みを改善すれば睡眠の質が高まります。

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