慢性痛や精神疾患にもなる心因性疼痛。

一般的に痛みの原因は、体の組織が壊れた際に生じる痛みが知られています。

その痛みの分類は、侵害受容性疼痛神経障害性疼痛に分けられます。

ですが、壊れていなくても痛みが生じる場合もあり、心因性疼痛という発痛障害が隠れている可能性があります。

そのような痛みにより生活や仕事に支障がでていると、精神疾患と診断されることがあります。

そして、症状が悪化すると自殺する例もあり油断できない病態です。

心因性疼痛とは

心因性疼痛は、精神的なストレス(葛藤、不安、抑うつなどの心の揺れ)を脳が処理する過程で生じる痛みと考えられています。

このような痛みは病院で検査をしても異常がありません。

その為、「気のせい」、「怠けている」という誤解が生まれやすい病気です。

仮病や詐病(さびょう)のように嘘をついているわけではありません。

疼痛例

疼痛が生じる精神疾患には、「疼痛性障害」、「身体化障害」、「転換性障害」、「うつ病」があります。

・疼痛性障害:腰痛や頭痛、顔面痛、背中痛、胸痛、腹痛、関節痛など。

・身体化障害:消化器系(胃腸)の痛み、性的症状、神経症状(しびれ)など。

・転換性障害:腕や脚の麻痺や発作、筋肉の協調運動の障害、皮膚感覚の違和感、痛みに対する感覚欠如など

・うつ病:「頭」「肩」「胃」の痛み。

※それぞれの疾患については、下記に記載。

心因性疼痛への誤認識。

原因のわからない痛みがすべて、心因性疼痛というわけではありません。

「原因のわからない痛み」は、以下のことも考えられます。

・未だ解明されていない病気。
・診断する医師の専門外。

※心因性疼痛の専門家は、精神科や心療内科の医師です。

心因性疼痛が発症する要因

心因性疼痛は、未だ解明はされておらず、以下のことが関与していると考えらています。

・脳の異常。(脳が痛みを覚えるDLPFCの機能低下、痛みの閾値の低下)
・生理的。(疼痛抑制システムの不良)
・ストレス(心理的、社会的、科学的、生物学的などより生じるホルモンの作用:ノルアドレナリン増加やセロトニンの減少、糖質コルチコイド、脳下垂体ホルモン)
・行動要因。(痛みに対して良い行動をできるか)
・痛みの認識や捉え方。
・遺伝的要素。

また、心因性疼痛以外に侵害受容性疼痛神経障害性疼痛が重複していると、痛みの要因はさらに増えます。

痛覚変調性疼痛

心因性疼痛という医療用語は、痛みの専門家の違いによって呼称名が変わります。

日本腰痛学会では、痛覚変調性疼痛という名称になっています。

痛覚変調性疼痛とは、侵害受容性疼痛でいう「現場」に異常はなく、神経障害性疼痛の原因になる神経や脳の損傷が無いにもかかわらず,とにかく常に痛いという状態です.いきなり痛覚変調性疼痛が生じることは稀で,腰部脊柱管狭窄症など様々な痛みを引き起こす疾患が原因となって,過剰な安静による筋量低下や社会交流の乏しさによる脳の機能異常により合併して起こる現象です.簡単に説明をすると,「痛みを引き起こす行動が繰り返されることで,より痛みを感じやすく敏感になっている状態」「痛みを繰り返すことで,脳が痛みを学習し,痛みへのハードルが下がってしまうことで小さな痛みでもすぐに強い痛みと感じてしまう状態」です.

※参考:痛覚変調性疼痛(日本腰痛学会。)

精神疾患

※詳しいことは、精神科や心療内科の医師にご相談ください。

生活や仕事ができなくなるほどの心因性疼痛は、痛みが強くなると精神疾患として診断されることがあります。

また、痛みが発症した要因の違いによって、診断名は変わります。

その精神疾患としては、以下の病気などがあります。

・疼痛性障害
・身体化障害
・転換性障害
・うつ病(気分障害だが、6割は疼痛も経験)

これらに共通する診断要因には、以下のものがあります。

共通する診断要因

・生活や仕事に支障がでている。
・原因不明。
・病気や痛みがなかなか治らず慢性的に続いている。

疼痛性障害

参考:ひだまりこころクリニック

疼痛性障害とは、身体の一部もしくは複数の箇所への強い痛み。

痛みの原因がない、もしくは原因から想定される痛みよりも強い痛みを感じます。

痛みに対して強い不安が生じ、生活に支障がでます。

疼痛部位は、腰痛や頭痛、顔面痛、背中痛、胸痛、腹痛、関節痛などさまざまな痛み多様な部位に表れます。

身体化障害

参考:マドレクリニック

身体化障害は、疼痛性障と似た要因で発症しますが、主な症状が内科的な症状となっています。

様々な身体症状として消化器系(胃腸)の痛み、性的症状、神経症状(しびれ)など。

特徴として

・重度の慢性障害(数年間)
・女性に多い。
・比較的若いころに発症。

転換性障害

参考:マドレクリニック 

転換性障害は、随意運動または感覚機能についての症状または欠陥とされています。

精神的ストレスを無意識に身体症状へ転換していると考えられています。

特徴

・ストレスを身体症状に転換。
・精神的・心理的なストレスや葛藤が原因。
・随意運動または感覚機能についての症状または欠陥。
・1回ごとの症状は短期間、2週間以内に症状が消失することが多い。
・再発が多く約4分の1の患者は1年以内に再発し、症状が慢性化する場合もある。

随意運動または感覚機能の症状

腕や脚の麻痺や発作、筋肉の協調運動の障害、皮膚感覚の違和感、痛みに対する感覚欠如など。

経験しやすい症状

転換性障害の症状は、経験している人が多いと言われています。

その症状はストレスによる「吐き気」「喉のしめつけ」「頭痛」があります。

鬱(うつ病)

うつ病とは、「うつ病エピソード」と呼ばれる症状がある気分障害です.

うつ病エピソードと躁病エピソードの両方があると「双極性障害」となります。

うつ病での痛み。

うつ病は、基本的には気分の落ち込みなどの気分障害です。

ただ、うつ病を患った6割ほどが、痛みを経験しています。

患者さんの6割が「痛み」を経験し、「痛み」の特徴は「頭」「肩」「胃」が多く、8割が「鈍い」痛みを感じる。

参考:あらたまこころのクリニック

うつ病での痛み改善、生活の質向上、社会復帰への整体

グレーゾーン

これらの精神疾患は、生活や仕事に支障がでるほどの痛みがある際に診断されるものです。

病気や痛みは、ボードゲームのオセロのように瞬時に白が黒となるわけではありません。

瞬時に健康な状態から生活苦になるわけではなく、白と黒の中間であるグレーゾーンがあります。

そのグレーゾーンは、医療用語でいう不定愁訴が当てはまります。

不定愁訴の症状

頭痛、めまい、吐き気、肩こり、腰痛、関節痛、疲労感、倦怠感、体がだるい、食欲不振、便秘、下痢、動悸、息切れ、胸の痛み、冷え、むくみ、不眠、寝つきが悪い、眠りが浅いなど。

このような不定愁訴は、個人の体質によっては症状に気づきにくいタイプの人がいます。

その場合、痛みや症状を感じにくいという利点ともとれますが、病気が進行していることに気づきにくいと悪化した際には手遅れになる場合もあります。

また、病気の種類によっては元々気づきにくい病気もあります。

最悪の事態を防ぐには、日頃から体のケアに力を入れることもそうですが、病院での定期健診が大切です。

定年以降に生じやすい精神疾患。

仕事の定年年齢は60~65歳が多いですが、この年齢以降から体の衰えが激しくなります。

加齢による身体機能の低下は、避けようがありませんが、悪化予防は大切な要素です。

また特に回復力の低下により、若い時と比べれば関節痛や筋挫傷も生じやすくなります。

また、精神疾患や心因性疼痛も発症しやすくなり、その要因は以下のことも関係します。

・加齢による身体機能の低下
・社会的役割の喪失
・死別
・経済状況の変化

加齢で発症しやすい精神疾患

老年期うつ病、不安障害、認知症など。

心因性疼痛の改善方法。

大事なことは症状があるなしに関係なく、日頃から心や体の状態に意識を向けて、心や体のケアを行なうことが大切です。

心因性疼痛や精神疾患による痛みの改善には、その症状の要因を改善させる必要があります。

症状の要因

心因性疼痛は、未だ解明はされておらず、以下のことが関与していると考えらています。

・脳の異常。(脳が痛みを覚える、DLPFCの機能低下、痛みの閾値の低下)
・生理的。(疼痛抑制システムの不良)
・ストレス(心理的、社会的、科学的、生物学的など)
・行動要因。(痛みに対して良い行動をできるか)
・痛みの認識や捉え方。
・遺伝的要素。

また、心因性疼痛以外に侵害受容性疼痛神経障害性疼痛が組み合わさっていれば、要因はさらに増えます。

改善方法

上記の改善に有効な手段として認知行動療法や運動療法が活用されています。

要は、定期的に運動習慣と思考の偏向を修正することが改善に繋がります。

ですが、症状が重くなっている状態に陥っていると、このような修正は気が重くなり第一歩が出せないものです。

痛みが筋肉や関節の痛みとして表れている場合には、定期的に整体を受けることで痛みを和らぎ生活の質を向上させ、社会復帰に役立ちます。

詳しくは「心因性疼痛と整体」をお読みください。

生きることが苦痛(相談窓口)

生きることが苦痛、死にたい、疲れた、限界と感じている人のために、無料の相談窓口があります。

厚生労働省のホームページに相談サポートセンターの窓口がいくつか紹介されています。

まもろうよこころ(厚生労働省サイト)
電話相談窓口(厚生労働省サイト)

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