骨盤の前傾・後傾とは?

骨盤の前傾・後傾とは?

骨盤の前傾と後傾が生じる原因は、2つあります。

①筋肉の弱化
②筋バランスの差
③補正によるもの
④サブラクセーション(仙腸関節、腰椎の後方変位)

①体質
②仙腸関節のズレ(サブラクセーション)

①体質は、仙骨と寛骨が一体となった前方や後方回転で主に個人の体質により生じます。

体質による影響は、以下のものがあります。

・筋力バランス。
・骨の大きさや変形、関節の変形。

②仙腸関節のズレは、仙骨に対して寛骨が前方・後方回転する関節のズレで、前方回旋のズレは骨盤の前傾を生じやすく、逆は後傾が生じやすくなります。

②仙腸関節のズレは、以下記事参照。

骨盤の構成(パーツ)

骨盤は、4つのパーツ(仙骨1つ、寛骨2つ、尾骨1つ)で構成されています。(図1、2参照)

骨盤正面
図1:骨盤正面
骨盤背面
図2:骨盤背面

仙骨を挟んで左右に寛骨が2つあります。

尾骨は、仙骨の下の方に飛び出ている部分になり、転んで尻もちをついた際に痛めることがあります。

※尾骨の痛みについての記事は、コチラ。

中立の骨盤

骨盤の前傾・後傾という言葉があるという事は、中立の骨盤の状態もあり、「骨盤を立てる」という表現が使われています。

骨盤の角度

骨盤が立っている状態(中立な骨盤)は、仙骨の腰椎関節面(第一仙椎上部)と水平性との角度が30度です。(図3参照)

※カバンディ関節の生理学より

図3:仙骨の傾き

この中立の状態では、立位で寛骨のASIS(上前腸骨棘)と恥骨を結ぶラインは垂直になる傾向にあります。

骨盤(仙骨)の前傾

水平面と第一仙椎上部のなす角が30度以上の時に前傾となります。

図4:骨盤の前傾

骨盤(仙骨)の上には腰椎があり、骨盤が前傾する事で腰椎の前弯が強くなり、反り腰(腰椎過前弯)も生じます。

また逆も生じ、反り腰となれば骨盤は前傾します。

ただし、骨盤の前傾が強くても腰椎に後方変位があれば、反りは弱くなります。

反り腰と骨盤の前傾はセットになりますが、それぞれの生じる原因は異なります。

反り腰(腰椎過前弯)は、腰部脊柱起立筋の過剰収縮、腹筋や腹圧の低下により生じやすい。

骨盤の前傾は、大腿直筋、縫工筋の過剰収縮で生じやすい。

また、他にも筋バランスの影響(骨盤の後傾筋より前傾筋の活性化)や寛骨のASサブラクセーションでも生じやすくなります。

骨盤の前傾に影響する筋肉

骨盤の前に付着する筋肉が後ろに付着する筋肉より強いと骨盤の前傾が生じやすくなります。

弱い筋肉

腹筋群、ハムストリングス、大殿筋。

強い筋肉

大腿直筋、腰部の脊柱起立筋、腸腰筋(腸骨筋、大腰筋)、縫工筋。

骨盤の前傾による悪影響

骨盤の前傾による悪影響は、以下の記事をご参照ください。

骨盤の前傾は、それを補正しようとし別の関節のズレを生じさせます。

補正は、腰を意図的に反るとわかります。

腰を反ると顎が上がり、目線がやや上になります。

このような状態では生活がしずらいため、目線を正面に向けるために以下の補正が働きます。

・背中を丸める
・股関節の屈曲
・膝関節の屈曲
・頸椎の屈曲
・前傾姿勢

これらの補正をどこで行なうかは、個人で異なります。

例えば、背中が丸まれば背部痛や首、肩、肩甲骨の周囲も痛くなり、関連して緊張型頭痛がでる事もあります。

骨盤の前傾が長期間続くと上記の補正によるズレも固定されるようになってきます。

その為、骨盤の前傾を改善させる施術は、骨盤に付着する筋肉だけではなく、これらの補正を施術することも大切です。

さらに、運動不足の方は体幹や腹圧を高める筋肉が弱化していることがあり、症状が強くなりがちです。

骨盤(仙骨)の後傾

仙骨の傾きが30度より小さくなれば、後傾となります。

図5:骨盤の後傾

骨盤の後傾は、腰椎の生理的湾曲である前弯が減少します。

骨盤の後傾に影響する筋肉。

骨盤の後ろに付着する筋肉が前に付着する筋肉より強いと骨盤の後傾が生じやすくなります。

弱い筋肉

大腿直筋、腰部の脊柱起立筋

強い筋肉

腹筋群、ハムストリングス、大殿筋。

一般的には、腰の骨格は前湾といって前に反っていますが、骨盤の後傾は前弯を減少させます。

また、それに加わり腰椎の後方変位が加われば前弯がなくなり後湾することもあります。

そのような状態になると腰の骨と骨の間にある椎間板が後ろに突出する為、腰椎椎間板ヘルニアになります。

前傾・後傾の確認方法

骨盤の前傾と後傾を当院でどう確認しているか説明します。

冒頭でも書いていますが、ここでの前傾後傾は、仙腸関節が一体となった骨盤全体の前傾・後傾の説明です。

仙腸関節は強力な靭帯(図6,7参照)によって動きを制限されており、仙骨が前に傾けば、寛骨も前に傾きます。

骨盤靭帯(正面)
図6:骨盤靭帯(正面)
骨盤靭帯(背面)
図7:骨盤靭帯(背面)

つまり、寛骨の前傾か後傾かのどちらかを確認する方法と仙骨の傾きの確認する事になります。

また、カイロプラクティックでの骨盤検査でAS腸骨であった場合、骨盤が前傾する傾向にあり、それも目安になります。

寛骨の前傾・後傾の確認は、ASISと恥骨の位置を確認すれば良いのですが、整体でそれを行うのはセクハラやパワハラと捉われる可能性がある為、当院では行いません。

ご自身で確認したい場合は、「骨盤が立っているとは?」の記事をお読みください。

仙骨の角度は、病院でレントゲンなどの設備を使わなければ正確な傾きを知ることはできません。

この仙骨の傾きを確認するのは、経験値です。

当院での新規来院数は1600人(2023年現在)で、骨盤や骨格の歪みを確認する徒手検査は全ての人に行っています。

また、先ほど書きましたが、カイロプラクティックでの骨盤のサブラクセーションの確認も目安になります。

AS腸骨とは、仙骨に対して寛骨が前方回転し、仙腸関節の動きが硬くなっていることを言います。

骨盤を後傾させるエクササイズ

骨盤の後傾に関係する筋肉は、ハムストリングスと大殿筋です。

これらの筋肉の強化が骨盤を後傾させていきます。

筋トレ方法

骨盤を後傾させるハムストリングスと大殿筋の筋トレは、以下の3つがあります。

①うつ伏せで膝を伸ばしたままバックキック。

②仰向けでヒップリフト。

③ロシアンハムストリングス:膝立ちから体幹を前傾。足首の

最後に

仙骨と寛骨が一体となった骨盤の前傾、後傾について説明しましたが、このような骨盤の動きは個人の体質から起こるのが基本にあり、歪みとは言えない場合があります。

個人の体質とは、以下のものがあります。

・筋力バランスによる影響。
・下肢の骨変形による影響。

骨格の歪みとは、左右や上下の骨と比べて前後・回旋・側屈の変化がある事を言います。

骨盤の歪みは、仙骨を基準に左右の寛骨が異なるズレ方をしている場合になります。

例えば、仙骨を基準に右の寛骨だけ前方回転している等です。

ここでは、仙骨と寛骨が一体となった骨盤の動きについて書いていますので、歪みについての詳細は別に書きたいと思います。

ただし、歪みではないかもしれませんが、骨盤の前傾や後傾は腰の骨格の前弯や後湾に直接影響します。

腰椎の前弯が強ければ腰、背、首、肩の痛みが出やすい。

腰椎の後湾が進むと腰椎のヘルニアになりやすい。

などの影響です。

どちらの予防にも、頭の軸を体の軸に合わせる事と腹圧を高める事が大切になってきます。

簡単に言えば、良い姿勢の維持と定期的な運動が必要です。

それが出来ない時に上記の症状症状が出やすくなります。

ですが、それが強ければ体にも影響がでてきます。

整体は、それが出来ずにそのようになってしまった体に矯正を行い、改善させるものですが、一度擦り減った椎間板や軟骨を元に戻す事はできず、改善効果には限度があります。

整体で出来ることは、コチラの記事で書いています。

良い姿勢と腹圧についても別の記事で説明しています。

良い姿勢とはの記事は、コチラ。

腹圧についての記事は、コチラ。

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