股関節伸展機能低下

股関節伸展機能低下

腰が痛くて整体に来られる人の多くは、股関節の伸展機能の低下しいます。

股関節伸展とは、ボールを後ろにキックする際の動作です。(下部動画参照)

腰痛のお客様にそれをうつ伏せの状態で行ってもらうと、足と床の距離が10cm以下の方もいます。

この股関節伸展機能は、加齢と共に減少していく傾向にあり、老化予防でも大切な要素です。

股関節の伸展チェック

股関節伸展機能のチェックは、床にうつ伏せになり、膝を伸ばしたまま股関節を伸展させます。

この場合の股関節伸展は、踵を背部に上げる動きになります。

通常、この動きを無意識で行うと腰椎と骨盤の動きも加わり、骨盤を浮かせてしまいます。(動画参照)

股関節伸展能力の低下の原因を考える時、股関節だけが悪いのではなく、腰椎や骨盤の動きを悪くする何かがある事も考えられます。

腰椎の代償を減らすには、骨盤のASIS(図1参照)に指を入れ、指の圧迫が抜けないようにします。

図1:骨盤のASISの位置。
図1:骨盤のASIS

骨盤の代償を減らすには、仙腸関節(図2参照)に背部から腹部に圧を加えて動きを制限させます。(動画参照)

図2:骨盤の仙腸関節の位置。
図2:骨盤の仙腸関節。

※仙腸関節の圧迫が弱い事や押圧ポイントがズレは、骨盤の代償は残ってしまいます。

股関節伸展機能低下の原因

股関節伸展機能低下の原因は、以下のことが考えられます。

①筋力不足。
②柔軟性不足
③筋肉を傷めている。
④腰や骨盤の関節を痛めている。
⑤腰椎伸展の可動域が減少している。
⑥骨盤の可動域が減少。

①筋力不足

股関節を伸展させる筋肉は、以下の筋肉です。

・大殿筋
・中殿筋
・ハムストリングス
・大内転筋

これらの筋肉が細くなり筋力が弱まると、重い脚を動かしにくくなります。

図3:大殿筋
図3:大殿筋
図4:中殿筋
図4:中殿筋
図5:ハムストリングスと大内転筋
図5:ハムストリングスと大内転筋

筋力不足の場合には、うるまカイロでお手伝いすることもできますが、ご自身でウォーキングやジョギング、スクワットなどの運動で鍛えることもできます。

施術時間に限りがありますので、うるまカイロの通常メニューではこのようなエクササイズは取り入れませんが、運動を手伝ってほしい方は、延長メニューをご予約いただき、その旨をお話しください。

②柔軟性不足

股関節の伸展とは逆の働きがある屈曲筋の柔軟性が減ると、股関節の伸展を妨げます。

その筋肉は以下の筋肉で、この筋肉の柔軟性を保つことが必要です。

・腸腰筋
・大腿直筋

図6:腸腰筋
図6:腸腰筋
図7:大腿直筋
図7:大腿直筋

これらの柔軟性を回復させるために整体では、この筋肉を緩めたり、ストレッチを行ないます。

また、お客様ご自身でもストレッチする事は可能です。

腸腰筋のストレッチ

アキレス腱を伸ばすような姿勢になり、そこから片膝を地面に着けていきます。

その際、体は起こすようにします。(図8参照)

図8:腸腰筋ストレッチ
図8:腸腰筋ストレッチ

大腿四頭筋のストレッチ

腸腰筋のストレッチの姿勢から、膝をついている方の足首を同側の手でつかみます。

そして、踵を臀部に近づけると大腿四頭筋のストレッチにもなります。(図9参照)

図9:四頭筋ストレッチ

また、正座の姿勢から仰向けになることでも四頭筋のストレッチになります。

両脚がきつければ、片脚ずつ行うと楽になります。

仰向けになれない場合は、少しづつ体を後ろに倒すようにしてください。

③筋肉を傷めている。

筋肉を傷めて、股関節の伸展運動の低下がおこる筋肉は、股関節の伸展筋と屈曲筋の両方です。

伸展時には傷めている伸展筋が収縮し痛みを発し、屈曲時には伸展筋が伸ばされ痛みを生じます。

股関節伸展筋

・大殿筋
・中殿筋
・ハムストリングス
・大内転筋

股関節屈曲筋

・腸腰筋
・大腿四頭筋

ただし、大腿四頭筋の損傷が原因の場合、膝が伸展している時と比べ、屈曲していると痛みをより強く感じます。

これは、膝が屈曲すると大腿四頭筋がより伸張される為です。

傷めている筋肉への施術

傷めている筋肉がある場合、整体の施術は患部の損傷程度で変わります。

この場合、整体を受けたからといって即座に切り傷が治る訳ではない為、整体を受けた直後からすぐにそれによる痛みは残ります。

このような場合、整体では損傷部位への負荷を減らす施術を行ない、痛みを減らす施術となります。

傷めて間もない場合。

傷めてまもない筋肉への施術は、基本行いません。

このような時期を急性期と言い、損傷してから2週間ほどまでの期間を言いますが、回復しにくい時はそれ以上になることもあります。

この時期は、筋肉に負荷がかかると治りにくい為、治りやすくする為にその筋肉と共同作用する筋肉を緩めたり、骨格の歪みを正してその筋肉への負担を減らしていきます。

肉離れなど傷めた筋肉への整体は、コチラ。

急性期の整体は、歩けるほど症状や、そこまで回復した後を薦めます。

急性期を過ぎている場合

急性期の時期を過ぎている場合には、硬くなっている患部の筋肉を緩める為に、先ほどの施術に加えて患部への施術を徐々に取りいれ、患部の負担を減らし回復を早める施術を行います。

骨格の歪みを正す事がなぜよいのか?

骨格の歪みを正すのは、歪みによる筋肉や関節への負荷を減らすためです。

そして、脳はそれを正そうと筋肉に働きかけます。

正す理由は、以下のことがあります。

・神経の遊びを保つ。
・身体のバランスをとりやすくする。
・運動時の筋肉の効率を上げる。

骨格が歪みは、これらに悪影響がでるために、脳は無意識に骨格の歪みを正しています。

歪みがあると起きている間は、その筋肉が常に働くために疲労していき、長期化するとコリがつくられます。

また、コリは関節への圧迫を強め、関節への負荷も強くなり、傷めやすくしてしまいます。

骨格の歪みがあるとこのような悪影響があり、骨格の歪みを改善させる事も大切なのです。

④股関節を痛めている

関節を痛めて股関節を伸展できない場合には、腰椎の椎間板や関節包の炎症、股関節の軟骨や関節包の炎症が考えられます。

このような関節の損傷は、これらの組織に圧迫や伸張が加わると痛みを発するため、防御反応が働き関節を固定する筋肉が働きます。

それが慢性化すると筋肉は硬くなり、長期化するにつれて2次的な痛みが生じてきます。

そのような状態で関節を動かすと硬くなった筋肉はさらに収縮し、関節への圧迫は強くなり、さらに痛みも増してしまいます。

これは、ギックリ腰や寝違いがなかなか治らない人に起こっていることでもあります。

このような場合の整体は、関節を動かす筋肉を緩めて関節への圧迫を減らすことで、痛みを緩和させて回復を早めていきます。

また、お客様によっては防御反応が強くでている場合、それを回復させるには適度な運動も回復を早めます。

⑤腰椎伸展の可動域減少。

冒頭の動画でも説明したように、股関節を伸展させようとするとき同時に腰椎も伸展させています。

腰椎に問題があると、その分の可動域は減少します。

腰椎の伸展を妨げる要素には、腰椎の後方変位があります。

整体ではそれを改善させて股関節の伸展可動域を回復させていきます。

この腰椎の後方変位は、腰を後ろに曲げることが多いことで歪みが作られます。

そのため、そのような姿勢を長時間続けない事も大切です。

⑥骨盤の可動域の減少。

骨盤の動きで股関節の伸展と関わりがあるの仙腸に対して寛骨の後方変位です。

股関節伸展時には、寛骨が仙骨に対して前方へ回転する動きが加わります。

寛骨の後方変位は、仙骨に対して寛骨が後方で固まって、動きが少なくなっている事をいいます。

寛骨を後方に回転させる筋肉は、大殿筋とハムストリングスです。

また、股関節を動かす筋肉が弱化し、それが長年経過すると骨盤の安定化のため、仙腸関節の動き自体がなくなってきます。

寛骨の後方変位の改善には、硬くなった大殿筋とハムストを緩める事とウォーキングやジョギングなどの筋トレをする事も大切になってきます。

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