脊柱管狭窄症とは
脊柱管狭窄症とは、脊髄神経の通りみちである脊柱管が狭まり、脊髄神経が圧迫を受ける病気です。
以下のことが原因となり、症状として痛みやシビレ、間欠歩行が生じます。
・骨の変形(すべり症、分離症、背骨の変形)
・椎間板ヘルニア
・脊柱管前後の靭帯の肥厚(黄色靭帯、後縦靭帯)
・椎骨の変位(背骨の歪み)
靭帯の肥厚や骨の変形は、加齢による影響が強く、発症年齢は高齢になるほど高くなります。
また、狭窄が強くなれば背中を伸ばすと症状が悪化しやすくなる為、背中を伸ばせなくなっていきます。
そのような姿勢で生活を続ければ、腰だけでなく膝や股関節の変形も併発するリスクも高まります。
そうなってしまうと歩行時の痛みを和らげるために杖が必要になって生活の質はさらに下がります。
脊柱管とは
脊柱管(図1青色)とは、背骨、椎間板、黄色靱帯などで囲まれたトンネルで、脊髄神経が通ります。
背骨の椎骨にある穴(椎孔)が重なりあう事で、脊髄神経が通るトンネルが形成されています。
図2と図3は頸椎1番と2番が重なった写真ですが、このように背骨が連結する事で脊柱管は作られています。
圧迫部位による違い。
痛みやしびれの表れる部位は、圧迫を受けている神経の位置により異なってきます。
圧迫部位が腰部であれば、腰や臀部、脚への痛みやしびれがでます。
神経の圧迫については、コチラで書いています。
腰部での圧迫が強くなると、その影響で歩くと5分程度で痺れがでて歩きにくくなる事もあります。(間欠跛行)
この病気は背中を伸ばすと脊柱管が狭まりやすい為、猫背になりやすいのが特徴です。
腰痛や肩コリでは、背部の筋肉に負担をかけないように姿勢を良くすることが大切です。
ですが、脊柱管狭窄症では、無理に猫背を正そうとすると症状が悪化しやすい傾向にあります。
だからと言って、猫背が良いわけではないので、それを補う必要があります。
その為には、脚や臀部、体幹の筋肉の柔軟性を高めることや筋トレが必要になってきます。
脊柱管狭窄症の原因
原因は、狭窄を起こしているものによりますが、主な原因は加齢や生活習慣です。
生活習慣の不良や加齢が進むにつれて、以下のことが起こりやすくなります。
・靭帯の肥厚(黄色靱帯、後縦靭帯)。
・背骨が変形。
・椎間板ヘルニア。
・椎骨の変位
靭帯の厚肥
脊柱を保護する靭帯は、以下の3つ靭帯があります。(下図参照)
・前縦靭帯:背骨の前に付着。
・後縦靭帯:脊柱管の前方に付着。
・黄色靭帯:脊柱管の後方に付着。
脊柱管狭窄に関係する靭帯は、後縦靭帯と黄色靭帯です。
これらが厚くなる原因は、背骨の筋肉が衰えた場合にそれを補う為に厚くなると言われています。
椎骨の変位
脊柱管狭窄の原因の一つに、背骨の骨格の歪みや狭窄部位の椎骨のズレ(変位)があります。
背骨は、椎骨と椎間板が交互に重なり構成されています。
椎骨とは背骨の骨のことです。
骨格の歪みは、以下の2つで形成されます。
・椎間板の変形
・椎骨のズレ
頸椎のC1とC2で椎骨のズレによる狭窄を説明します。
下図は、C1-C2が上下に二つ並んだ状態です。
上下に並んだ骨を上から見ると、脊柱管があります。
下図はC2に対してC1が前方に変位した状態ですが、脊柱管が狭まっています。
このように椎骨が回旋、側屈、前後に位置がズレが生じると脊柱管は狭まります。
椎骨は首、胸、腰とそれぞれ7,12,5個の骨があり、それぞれの位置がズレる可能性があります。
脊柱管狭窄症は、神経圧迫の部分に目がいきますが、圧迫部位だけではなく他の部位で歪みが生じると脊柱管内での脊髄神経の遊びがなくなり、動作の度に圧迫部位への圧力が強くなります。
また、圧迫部位への圧力を強めるものとして抹消神経の圧迫があります。
それに加え加齢が進むと神経の柔軟性も低くなる為、さらに強くなります。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、椎間板が飛び出す病気ですが、飛び出す前には椎間板の変性や変位が先に起こっています。
椎間板ヘルニアについて、詳しくはコチラで説明しています。
変性とは、椎間板の損傷。
変位とは、椎骨の位置がズレることです。
変性や変位やおこる主な理由は、猫背にあります。(下図参照)
診断
診断には、MRIやCTの画像診断が必要な為、その設備のある病院または整形外科で診察を受ける必要があります。
X線の画像診断だけでは、わかりません。
この設備は高額な為、病院によっては置いていない病院もあり、病院へ行く前に問い合わせする事を薦めます。
脊柱管狭窄症時に整体で出来る事
靭帯厚肥は、整体を受けたからといってそれが薄くなる事はありません。
この症状に整体で出来ることは、以下の2つによって症状の改善を目指します。
・背骨の歪みを減らして脊柱管の狭さを改善させる事。
・脊柱管から出た末梢神経の筋肉による抹消神経の圧迫の改善。
この症状が出て悩んでいる頃は、運動量が減り筋肉が落ち、柔軟性も減っている事がほとんどです。
その為、筋トレや体質改善も大事になってきます。
ヘルニアや靭帯厚肥が大きくなり、脊柱管が狭くなるほど、整体での改善は難しくなり、悪化予防の為の施術になることがあります。
脊柱管狭窄症で生活の質をできるだけ落とさない為には、できるだけ早くケアをやり始める。
それを継続しなくてはいけません。
脊柱管狭窄症への整体は、コチラ。