「ピキっ」ときた痛み。
例えば、日常生活で右側にあるテレビのリモコンを手に取ろうとしただけで頸や腰に「ピキッ」と強めの痛みが走ることが稀にあります。
姿勢を変える等、ちょっとした動きで筋肉が伸ばされ発生します。
若い人や肩こりや腰痛がない人は、経験したことがないかもしれません。
何でもない動きでそうなるのでビックリします。
この痛みですが、故障している事が多いですが、必ずしも故障している訳ではないと思います。
あくまで私の主観ですが、お客様がそのような経験をして、整体を受けに来た時にその部分を触診するとコリや歪みが少ないという人がいます。
私自身もそのような経験があります。
何が言いたいかというと、痛み=悪化ではないこともある。
という事です。
症状が強いと痛みに対して敏感になりすぎてしまい、変に体に力が入り体に悪影響を与えてしまいます。
実は体にいいことだったのかもしれせん。
いい事だった場合、2つの事が考えられます。
・コリが弾けて緩んだ。
・筋膜の癒着が離れた。
コリが弾けた。
筋肉のコリとは、筋線維が収縮したままの状態です。
筋肉のコリや張りについて、詳しくはコチラで書いています。
通常、筋肉は負荷がかからなければ緩んでいます。
ですが、コリは負荷がかからなくても緩まず収縮したままの状態です。
このコリは、筋疲労で筋肉が収縮し硬くなり、それが継続してしまう事で起こります。
血管は筋肉の間を通っている為、収縮し硬くなると血管を圧迫する為に筋組織への血液を阻害し、筋肉が緩まなくなっていきます。
筋収縮の生理反応
生理学的に筋肉の収縮とは、ミオシンとアクチンという筋線維が重なることです。(図1参照)
コリは筋肉が弛緩せず、このミオシンとアクチンが重なりを維持した状態です。
このような状態から何かの動作で無理やりストレッチされ、ミオシンとアクチンが引きはがされた時に痛みを感じたのではないかと思っています。
無理やりですが筋収縮(コリ)がなくなったので、その後筋肉は緩みます。
筋膜の癒着?
筋膜(図2参照)とは、筋肉(筋線維)を包んでいる膜で、筋組織の潤滑や保護の役割があります。
例えば、関節を右に回す筋肉と左に回す筋肉が隣合わせの場合、接触している筋肉には摩擦が生じますが、筋膜がある事で摩擦を減らしています。
その筋膜は、患部が炎症を起こした後に修復する過程で本来、癒着していなかった筋膜と癒着してしまい、筋肉がストレッチされた時にその癒着がはがれて痛みが出たのではないかと考えています。
痛みは出たかもしれませんが、通常、癒着していない筋膜が剥がれた為に関節の可動域はよくなります。
筋膜とは詳しくはコチラで書いています。
痛み=悪ではない。
人にとって痛みはツライことであうこと。
また痛みに対して敏感になる事で命を守ろうとする働きがある為に
「痛み」=「悪」
と考える事が多いです。
ただ、視点を変えれば痛みがあるから悪い事に気づけて、健康でいたいと思う事もあり、決して
痛み=悪ではない
とも言えます。
冒頭でも書きましたが、痛みを怖がるあまり、不必要な所に力を入れてしまうと書きました。
お客様によっては、その反応で筋疲労を起こして筋肉が硬くなり痛みから抜け出せない方がいます。
このような反応は、無意識で行っている為に本人は気づいていません。
解決法
心配ありません。解決法はあります。
心理学の認知行動療法を利用します。
無意識に力を入れていますが、意識して力を抜くようにすると筋肉は緩んでいきます。
ただし、筋肉のコリは意識して緩むものではない為、そのコリは整体で改善させる必要があります。
また、お客様が運動不足で筋肉が細くなっていたり、体の使い方が悪いと、患部の筋肉に負荷がかかりやすい為、筋トレや体の動かし方を修正すると、より改善していきます。