下肢の筋肉の施術は重要
背骨の中にある脊髄神経から分岐し、背骨の外に出た神経を抹消神経(図23)といいます。
これから説明しますが、抹消神経は筋肉の間を通る事が多く、筋肉が硬くなると神経に圧迫が加わります。
その抹消神経のルート上にある筋肉の圧迫が多くなるほど、神経の遊びはなくなります。
脊柱管狭窄症やヘルニアにより中枢神経が圧迫がある場合、末梢神経の圧迫はその中枢神経の症状を悪化させてしまいます。
その為に腰痛のお客様への整体は、腰だけではなく、下肢の筋肉を緩めることも大切です。
末梢神経が支配する筋肉
末梢神経とは脊柱管内の脊髄神経が分岐し、脊柱管外に出た神経を言います。(図23参照)
その抹消神経は、細かく枝分かれをしながら筋肉以外にも皮膚や内臓などにも向かいます。
そして、その神経が圧迫されるとそれが支配する筋肉を硬くする事があります。
また、圧迫が強いと内臓への影響や皮膚感覚の異常(知覚障害)を起こすこともあります。
知覚障害は、その神経が支配する皮膚に感覚消失や鈍麻(感覚がにぶくなること)です。
神経圧迫で怖いことは、コチラ。
歪みによる体調不良は、コチラ。
腰の骨から出る抹消神経が向かう筋肉は、みぞおち付近から下にある筋肉です。
その神経の支配にある筋肉は、以下の通り多くの筋肉を支配しています。
補足ですが、脊髄神経が圧迫されると両脚に、ヘルニアでの抹消神経圧迫は片側に痛みやシビレがでる事が多いです。
仙骨神経叢支配の筋肉
仙骨神経叢とは、L4、5、S1、2、3神経の集まりです。
支配する神経は、以下のものがあり、骨盤から大腿骨に付着し、股関節を動かく筋肉です。
梨状筋(L4、5、S1、2、3)
上双子筋(L4、5、S1、2、3)
下双子筋(L4、5、S1、2、3)
内閉鎖筋(L4、5、S1、2、3)
大腿方形筋(L4、5、S1、2、3)
人によっては座骨神経が、梨状筋(図24)の間を通って出る人もおり、そのタイプの人はその症状が出やすくなります。
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座骨神経支配の筋肉
座骨神経は、仙骨神経叢からの分岐で、体内で一番太い神経です。(図25参照)
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座骨神経は、L4、5、S1、2、3の神経からなり、それが支配する筋肉はハムストリングスと呼ばれる大腿の裏にある筋肉です。
大腿二頭筋短頭(L4、S1、2、3)
大腿二頭筋長頭(L5、S1、2、3)
半腱様筋(L4、5、S1、2、3)
半膜様筋(L4、5、S1、2、3)
梨状筋で座骨神経が圧迫されるとハムストリングスを硬くすることがあります。
また座骨神経(図26)は、ハムストリングスと大内転筋の間を通っており、これらの筋肉が硬くなれば、さらに座骨神経の遊びがなくなり、座骨神経とそこから下の神経(脛骨神経と総腓骨神経)が支配する筋肉にも影響を与えます。

脛骨神経支配の筋肉
脛骨神経(図25)は仙骨神経叢からの分岐です。
その神経が支配する筋肉は以下のものがあり、膝下の筋肉になります。
足底筋(L4、5、S1)
腓腹筋(L4、5、S1、2)
膝窩筋(L4、5、S1)
ヒラメ筋(L4、5、S1、2)
後脛骨筋(L5、S1、2)
長趾屈筋(L5、S1、2)
長母趾屈筋(L5、S1、2)
短趾屈筋(L5、S1)
母趾外転筋(L5、S1)
短母趾屈筋(L5、S1、2)
第1中様筋(L5、S1)
小趾外転筋(S1、2)
足底方形筋(S1、2)
短小趾屈筋(S1、2)
小趾対立筋(S1、2)
母趾内転筋(S1、2)
底側骨間筋(S1、2)
背側骨間筋(S1、2)
第2,3,4中様筋(S1、2)
総腓骨神経支配の筋肉
総腓骨神経(図25)は仙骨神経叢からの分岐です。
それが支配する筋肉は以下のものがあります。
前脛骨筋(L4、5、S1)
長母趾伸筋(L4、5、S1)
長趾伸筋(L4、5、S1)
第三腓骨筋(L4、5、S1)
短母趾伸筋(L4、5、S1)
短趾伸筋(L4、5、S1)
長腓骨筋(L4、5、S1)
短腓骨筋(L4、5、S1)
上殿神経支配の筋肉
上臀神経(図27)は、仙骨神経叢からの分岐です。
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それが支配する筋肉は以下のものがあります。
中殿筋(L4、5、S1)
小殿筋(L4、5、S1)
大腿筋膜張筋(L4、5、S1)
上殿神経は、背骨の前から出て、骨盤孔を通り臀部に向かいます。(図27参照)
骨盤孔から背面に出た神経は中殿筋と小殿筋の間を進みます。(図28参照)
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その為、中殿筋と小殿筋が硬くなれば上殿神経に圧迫が加わる為、それが支配する筋肉に痛みやシビレを増長させる事があります。
下臀神経支配の筋肉
下殿神経(図29)は、仙骨神経叢からの分岐です。
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それが支配する筋肉は以下のものがあります。
大殿筋(L4、5、S1、2)
下殿神経も、上殿神経と同じように背骨の前から出て、骨盤孔を通り臀部に向かいます。(図30参照)
骨盤孔から背面に出た神経は大殿筋と梨状筋の間を進みます。
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腰神経叢支配の筋肉
腰神経叢とは、L2、3、4神経の集まりです。(図31参照)
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腰神経叢が支配する筋肉は以下のものがあります。
主に股関節を屈曲させる筋肉で、腸などの臓器よりも奥にある筋肉です。(図33)
腸骨筋(L2、3、4)
小腰筋(L2、3、4)
大腰筋(L2、3、4)
※小腰筋は、大腰筋と同じ働きをしますが、小腰筋がない人が半分いると言われています。
腰神経叢は、腰方形筋(図32)と大腰筋(図33)の間を通り、これらの筋肉が硬くなれば、腰神経叢を圧迫し、またその分岐である大腿神経や閉鎖神経が支配する筋肉にも影響が出ます。

その筋肉は股関節の屈曲筋群と内転筋群で、大腿の前と内側にある筋肉になります。
大腿神経支配の筋肉
大腿神経は、腰神経叢からの分岐です。
それが支配する筋肉は、以下のものがあります。
恥骨筋(L2、3)
縫工筋(L2、3)
内側広筋(L2、3):大腿四頭筋
大腿直筋(L2、3、4):大腿四頭筋
中間広筋(L2、3、4):大腿四頭筋
外側広筋(L3、4):大腿四頭筋
大腿神経は、鼠経靭帯の下を通ります。(図33参照)

その鼠経靭帯の下には、以下のものがあります。(図33参照)
・腸骨筋
・大腰筋
・大腿神経
・大腿動脈
・大腿静脈
腸骨筋や大腰筋が硬い人や腰の反りが強い人(骨盤が開き気味な人)は、大腿神経に圧迫が加わりやすいと言われています。
また、大腿神経は縫工筋や大腿四頭筋の内側広筋、内転筋群の間を通ります。
これらの筋肉が硬くなれば、神経の遊びがなくなり、さらに圧迫を強めます。
そして、それは神経だけではなく下肢に向かう動脈や静脈を圧迫する為、下半身がむくみやすくなります。
閉鎖神経支配の筋肉
閉鎖神経(図31)は、腰神経叢からの分岐です。
それが支配する筋肉は、主に股関節を内転させる筋肉で、以下のものがあります。
短内転筋(L2、3、4)
薄筋(L2、3、4)
長内転筋(L2、3)
外閉鎖筋(L3、4)
大内転筋(L2、3、4、S1)
腰痛を出す組織の損傷。
ここまで筋肉と関係する腰痛について説明しましたが、腰痛の原因はそれだけではありません。
腰痛は、筋肉以外の組織の損傷でも起こります。
※病気により、腰痛がでることもあります。腰に痛みを出す病気は、コチラ。


