腹圧とは
腹圧とは、腹腔内の圧力です。
呼吸なので、立位や座位、寝ながら。
つまり、睡眠中以外はいつでもできます。
腹圧が高いと体幹の力も強くなり、疲労や歪みを抑えて肩こりや腰痛を予防できます。
腹腔
腹腔(図1水色)は、腹膜内のスペースです。
腹膜の中は、内臓が収まっていて横隔膜から下の部分になります。
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腹膜の厚さは1mm以下で、役割は臓器の収納とその保護です。
腹圧の役割
腹圧とは、その腹腔内の圧力です。
腹腔内の圧力を高めることで排尿、排便、分娩を助けます。
また、身体の動きをサポートする役割もあります。
この腹膜と腹圧の仕組みは、外部から風船に圧力を加える仕組みと同じです。(後述)
腹膜(風船)が保護の役割だとしたら頼りないですが、実際には膜の周囲を筋肉が覆っており、外部から保護しています。
そして、腹膜周囲の筋肉が働くことで腹圧を高めることができます。
図2は、腹膜と接する腹横筋を一部取り除いた図ですが、腹部周囲の筋肉は、他にも多数あります。

腹膜周囲の筋肉
腹膜を覆っている筋肉は、たくさん(図3参照)ありますが、腹圧に大きく関係する筋肉は、
・腹筋
・骨盤底筋
・横隔膜
の3つです。

このうち腹筋は、④、⑤、⑥、⑨になります。
1:脊柱起立筋
2:脊柱起立筋
3:胸腰筋膜
4:外腹斜筋
5:内腹斜筋
6:腹横筋
7:横筋筋膜
8:腹直筋鞘の後葉
9:腹直筋
10:腹直筋鞘の前葉
腹筋
腹筋というとシックスパック(鍛えると6分割されてるように見える筋肉)をイメージしますが、実際に腹筋は、4種類あります。
表層:④外腹斜筋。
中層:⑤内腹斜筋と⑨腹直筋
下層:⑥腹横筋
外腹斜筋
外腹斜筋(図4、図5)は、ウエスト周囲のお腹の前から後ろまで腹部全般を覆っています。


役割は、両側同時収縮で体幹が屈曲し、片側の収縮で側屈と回旋します。
右側の外腹斜筋が働くと体幹は左に回旋し、右側屈します。
外腹斜筋の下層に腹直筋と内腹斜筋は、あります。
また、内腹斜筋と外腹斜筋の筋線維と交差しています。
内腹斜筋
内腹斜筋(図6)は外腹斜筋の下層にあり、腹直筋と同じ層にあります。

役割は、外腹斜筋と筋線維が交差している事で外腹斜筋と逆向きの回旋をし、側屈においては同じ働きをします。
例えば、右の内腹斜筋が収縮すると右回旋し、右側屈します。
外腹斜筋と同様に両側収縮で体幹を屈曲させます。
腹直筋
腹直筋は、(図6参照)腹部の脂肪が減り、腹直筋が鍛えられるとお腹の中央にある6つの筋腹が現れ、シックスパック(図7参照)と呼ばれる筋肉です。

役割は、体幹の屈曲です。
腹横筋

腹横筋(図8)は、内腹斜筋と腹直筋の下層にあります。
腹筋の役割のイメージとして体幹の屈曲がありますが、この筋肉にその働きはありません。
おへそを引っ込めるようにお腹を凹ます働きを持っています。
この筋肉の役割は、他の腹筋と一緒になって腹圧をかけて排便や排尿時、立位や座位での姿勢維持になります。
その為、腹圧を高める呼吸では、この筋肉の活用が特に重要で、お腹を凹ませきれない人は便秘しやすくなります。
姿勢維持
特にこれらの4つの腹筋が弱化すると姿勢維持を背部の筋肉に頼ることになり、腰痛や肩コリが起きやすくなります。
つまり、腰痛や肩コリの予防には必要不可欠な筋肉です。
4つの腹筋は、以下の筋肉です。
表層:④外腹斜筋。
中層:⑤内腹斜筋と⑨腹直筋
下層:⑥腹横筋
骨盤底筋(腹膜下層の筋肉)
骨盤底筋(図9)も腹圧と関係しています。

腹膜の下部は、骨盤という骨(仙骨、腸骨)でサポートを受けています。
骨盤の下は、脚を効率よく動かす為に穴が開いており、骨盤低筋群(図6)によって塞がっています。
女性であれば、赤ちゃんを産む為にもこの穴は必要になってきます。
骨盤底筋の役割は、以下のものがあります。
・臓器のサポート。
・尿道や肛門を締めて排便や排尿のコントロール。
・骨盤の動きをサポート。
横隔膜
腹膜上部は横隔膜(図10)があります。
横隔膜呼吸に不可欠な筋肉です。

呼吸による横隔膜の使われ方は、コチラ(外部サイト)が詳しく書かれていますので、ここでは省きます。