整体とカイロプラクティック、整形外科との違い

「整体とカイロプラクティックの違いって何ですか?」

とよく聞かれますが、

一般的には、体の歪みを正す手技療法を総称して整体と呼ばれます。

整体は、読んで字のごとく、身体を整える技術です。

つまり、マッサージもカイロプラクティックも整体のひとつです。

世間には多くの整体屋さんがありますが、大きく3つに分類されます。

・マッサージ中心の整体。
・カイロプラクティック技術だけ行う整体。
・特殊な整体法。

に分かれます。

マッサージ中心の整体。

体の歪みの原因のひとつに筋肉のアンバランスがあります。

アンバランスとは、筋肉のコリ(異常収縮)です。

筋肉は骨に付着しており、左右の収縮が異なれば片方だけの骨を強く引っ張り骨格を歪めます。

コリとは、局所的に筋肉が縮こまって伸びにくい状態です。

例えば、大腿四頭筋のひとつである大腿直筋という筋肉は、太ももの前にあり膝と骨盤に付着しています。(図1参照)

大腿直筋のコリによる骨盤の前傾

その筋肉が収縮し短くなれば、仙腸関節を軸に骨盤を前方回転させます。

この時、両足の大腿直筋が同じように収縮すれば骨盤の前傾を強めますが、人は利き足がある為、そのような事はほとんどなく、片側だけ硬くなっています。

つまり、片側の骨盤(寛骨)だけ前方回転させる為、左右の寛骨の位置に変化が生じます。

この変化を骨盤の歪みといいます。

注:骨盤を前傾させる原因は、これだけではありません。

※骨盤の前傾については、コチラに書いています。

マッサージは、このような左右差のある筋肉を緩めて、骨格を正しています。

マッサージの特徴

マッサージ中心の整体は、お客様がそれを受けた時に

・ほぐしてもらった充実感。
・ふわふわして気持ちいい。
・血流が良くなる。

という特徴があります。

カイロプラクティックと整体。

冒頭で整体は、体を整える技術のことを言うと書きました。

整体とカイロプラクティックの違いがあやふやに思う人がいるのは、整体が日本に認知され始めたころの技術が米国のカイロプラクティック技術を使われたということにあると思われます。

カイロプラクティックの矯正技術が日本に入ってきた時期は大正時代と言われています。

この頃のカイロプラクティック技術は、今のカイロプラクティック技術と違い、骨格の矯正をバキバキ鳴らせるのが主流だったようです。

その為、骨を鳴らすことが整体というイメージを持っている人がいると思われます。

最近でも勘違いされている方がいますが、今のカイロプラクティックは、そんな単純なものではありません。

矯正時に骨が鳴らなくても矯正する事ができます。

矯正は、音を鳴らせばいいというものではない。

お客様によっては、無意識に力が入る人がいます。

痛みの防御反応やカイロプラクティック矯正への恐怖心で無意識に力が入る事が理由だと思われます。

その力を抜けない人に対して矯正時に音をだそうとするような無理な矯正は筋肉や靭帯を傷めることがあります。

今のカイロプラクティックの矯正は、それを考慮した技術になっています。

図:カイロプラクティックでの骨盤矯正

※カイロプラクティックは、アメリカ発祥の矯正技術です。

カイロプラクティックとカイロプラクティック由来の整体との違いは?

一般的に整体という呼び方の中では、整体の中にカイロプラクティックも含まれています。

ですが、カイロプラクティックを主体に整体を行っている人にとって、カイロプラクティックと整体は異なる技術です。

一番の大きな理由は、サブラクセーションを探し出す技術にあります。

サブラクセーションについては、コチラで詳しく書いてます。

カイロプラクティックでは、むやみやたらにバキバキボキボキ鳴らすための矯正ではありません。

サブラクセーションを起こした骨を探し出し、その骨に対し骨格が整う方向に必要最低限の力を加えます。

その為、音が鳴らないことがあります。

なぜ必要最低限の力なのか?

無理な骨格矯正は、筋肉や靭帯を傷めると書きました。

何が無理なのか?

背骨は、頸椎、胸椎、腰椎とそれぞれ7、12、5つの骨から構成されています。

矯正時は、骨格に側屈や回旋を加えて矯正を行います。

例えば、上半身の回旋角度は80度~90度です。 

それを確認するには、椅子に座り骨盤を固定させて体を回旋させるとわかります。

背骨全体の回旋角度は、80~90度に対して、腰椎5つ全て合わせた回旋角度は「5度」程度しかありません。

カイロプラクティックでの矯正は、サブラクセーションを起こした背骨一つに力を加えます。

腰椎が5つで5度の回旋角度しかなければ、腰椎ひとつの回旋角度は1度です。

腰の回旋を正す矯正を行う時に1度以上回旋するような矯正は、不必要な矯正となります。

腰の骨をバキバキ鳴らすように、腰を捻るだけ捻る矯正もありますが、無意識に力が入るような人

にこの矯正を行うと傷めるリスクが生じます。

このような理由で、必要最低限の力での矯正が今のカイロプラクティックでは主流です。

注:バキバキ鳴らす矯正すべてが悪い訳ではありません。
・サブラクセーションを正す矯正ではない。
・筋肉を緩める為に行う矯正である。
・無意識に力が入る人ではない。
・関節に負担がかからない(骨と骨がぶつからない)ように力を加える。

このような場合に当院でも古流の矯正を行うこともありますが、5年ほど前から力を抜き切れない人が増え、そのような矯正を行うことはほとんどなくなりました。

カイロプラクティック技術の特徴

カイロプラクティックの矯正の特徴には、椎間板への矯正があります。

背骨の歪みは、椎間板の変形が生じますが、サブラクセーションを起こした骨に対してその椎間板を正す方向に力を加えます。

椎間板の変形は、椎体のズレ(後方、回旋、側屈の変位)や椎間板ヘルニアに繋がります。

この椎体のズレやヘルニアは、脊柱内の脊髄神経や背骨から出た直後の抹消神経を圧迫する事があります。

これらの神経が圧迫されれば、内臓の機能低下や自己治癒力の低下を起こす可能性があります。

その為、カイロプラクティック矯正は、それを改善または予防につながります。

カイロプラクティックの記事は、コチラにあります。

特殊な整体。

何かをしただけで筋肉が緩み、歪みも改善する。

患部とは、別の部分に対してアプローチして、患部を改善させる。

というような、お客様が整体を受けた時にインパクトの高い整体法です。

例えば、

骨盤を矯正すれば、肩こりが改善される。

足首を緩めれば腰痛が改善される。

などです。

~しただけで、というようにマジックみたいな整体法です。

何がいいの?

どれが良いということはなく、お客様との相性が大きいです。

当院は、カイロプラクティックや独自の整体法、マッサージ的なことを用いてお客様の症状や好みに合わせて使いわけています。

実際には、整圧多圧法をメインに行い、最後にカイロプラクティック矯正用の特殊なベッドを用いて矯正する流れで行うことが多いです。

整圧多圧法は、サブラクセーションを起こした骨を正すように力を加えながら、別の部位の筋肉をほぐして歪みを改善させる当院独自の技法です。

骨格を矯正する整体法はお客様によって怖がり、力が抜けない方もいますので、その場合にはその方法は使わず、違う整体法を使っています。

また、お客様によっては、10割ほぐす方に時間を使うこともあります。

病院(整形外科)との違い

病院では、主に薬や手術で症状を改善させる方法をとります。

※お客様情報ですが、整形外科でも最近リハビリでマッサージをとり入れている整形外科も増えてきているようです。

病院と整体の大きな違いは、

・痛み止めの薬の処方。
・手術の選択。

があります。

痛み止めって体によくない?などの疑問については、コチラで書いてます。

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