骨盤の開き(坐骨間の広がり)
骨盤や仙骨の前傾が起こると寛骨の開きに加えて、両坐骨間の距離も長くります。(図6参照)
またそれにより両股関節間の距離も拡大します。

つまり、実際に骨盤の開きを確認するには、以下の部分に触れて確認します。
・寛骨の外側縁や両ASIS間の距離。
・両大転子の距離。
・仙骨や骨盤の傾き。
ASISとは、骨盤の両翼にあり、正面に飛び出ています。(図7、図8参照)
.gif)
骨には、筋肉の付着部位や皮膚の上から触診できる部分などに名前がつけられています。
骨盤の説明をする際には、ASIS、PSIS、座骨、仙骨、寛骨がよく使われます。

補足ですが、両股関節間が開けば両膝の間も開くことになります。
そうなればX脚やO脚になりやすく、膝関節の障害が発生するリスクが高まります。
座骨間の広がりを抑える筋肉
座骨間の広がりを抑えきれる筋肉は、体の中心(腰椎、仙骨)と大腿骨を結ぶ筋肉になります。
その筋肉は、以下の3つの筋肉です。
・大殿筋(仙骨後面と大転子に付着)
・梨状筋(仙骨前面と大転子に付着)
・大腰筋(腰椎と小転子に付着)
大殿筋
大殿筋は主に股関節の伸展と外転で働く筋肉です。(図9参照)

付着部位は、寛骨、仙骨、大転子です。
大転子は、股関節の横にある大腿骨の飛び出た部分です。(図8参照)
歩行や走行時に股関節を伸展させて体を前に進ませます。
仙骨と大腿骨の間には寛骨があり、この筋肉が収縮することで座骨の広がりを抑える力が働きます、。
大殿筋は、大きく力強い筋肉です。
補足:大殿筋弱化は腰痛に繋がる。
補足ですが、この筋肉が弱化すると股関節の伸展角度が減り、その代償を腰椎の後屈や骨盤の前傾で補うことになります。
整体で腰が痛いという人は、股関節の伸展機能の低下している人がとても多いです。
股関節伸展運動の自己チェック
床にうつ伏せになり、膝を伸ばしたまま、股関節を伸展させます。
股関節の伸展させる動きは、この場合だと踵を天井に近づける動きです。
何も意識せずにこの動きを行うと腰椎と骨盤の動きも加わり、骨盤を浮かせてしまいます。(動画参照)
腰椎の代償を減らすには、骨盤のASIS(下図参照)に指を入れ、指の圧迫が抜けないようにします。
.gif)
骨盤の代償を減らすには、仙腸関節(図10参照)に背部から腹部に圧を加えて動きを制限させます。(動画参照)
.png)
※仙腸関節の圧迫が弱い事と押圧ポイントがズレは、骨盤の代償が残ります。
腰痛と股関節伸展機能低下について、コチラで説明しています。
腰痛と関係する筋肉は、コチラで説明しています。
梨状筋
梨状筋は、主に股関節の外旋時に働く筋肉ですが、股関節が屈曲している時は股関節の外転の働きもあります。
その梨状筋が付着する場所は、仙骨前面と大腿骨の大転子です。(図11参照)

付着部は仙骨と大転子である為、大殿筋と同じような働きによりり、梨状筋が収縮する事で仙骨の落ち込みを防止できる筋肉です。
また梨状筋のように骨盤と大腿骨に付着する筋肉(閉鎖筋や双子筋など)は、大腿骨を骨盤に引き寄せる力が働かせ、股関節の屈曲や伸展時の力が発揮しやすくさせています。
そのような働きがある為、股関節の屈曲や伸展する筋肉が弱くなると、これらの筋肉が過剰に働き疲労させ硬くなっていきます。
補足:梨状筋と座骨神経痛
補足ですが、この梨状筋の筋線維の間から座骨神経(図12参照)が通過する人がいます。

この筋肉が疲労で硬くなると座骨神経を圧迫し、臀部や下肢の痛みやしびれが出やすくなります。
運動不足の方や高齢の方に多いですが筋肉が細くなれば筋疲労しやすくなり、このような症状がでやすくなります。
整体は、骨格を正すだけではなく、筋肉の疲労も改善させることができる施術です。
大腰筋
大腰筋の働きは、主に股関節の屈曲、体幹の姿勢保持です。
大腰筋の付着部位は腰椎と小転子(図13参照)です。
.jpg)
筋線維の方向を考えるとこの筋肉が収縮する事で両座骨部を体の中心に引き寄せ、骨盤を閉める力が働きます。


