膝の痛み
膝の痛みは、事故やスポーツなどで膝に強い負荷がかかると傷めることは想像できますが、日常動作での負荷が膝に積み重なり、痛みが生じることもあります。
その場合、何かで傷めたという覚えもなく、歩行中に急に痛み感じ始めたり、階段の登り降りでも痛み(特に下り)を感じるようになります。
このような痛みが軽度であれば、いずれ治るだろうと思ってしまうものですが、いた痛みが、次第に正座ができなくなり、膝も伸びない。
さらに悪化すれば睡眠中に痛みを感じ目が覚めたり、眠りずらくなることがあります。
また、膝痛の悪化は歩くことが億劫になりがちです。
そうなると歩く筋力が低下し悪循環に陥ります。
それが高齢の方だと、車椅子での生活や寝たきりにつながり、外部との接触が減ることで脳に刺激が減り認知症が進行しやすくなります。
また、加齢が進むほど変形性膝関節症が発症し、それによる痛みや水が溜まることでの痛みもあります。
変形性膝関節症の記事は、コチラ。
膝の水が溜まる理由の記事は、コチラ。
このような膝を痛めてしまうリスクを減らすには、早めのケアが大切です。
膝に痛みを感じる原因
膝痛の原因は、関節内の炎症とトリガーポイントの関連痛があります。
関節内の炎症は、以下のことで生じます。
・怪我やスポーツによるもの
・日常的動作による負荷の蓄積
・病気
トリガーポイントによる関連痛は、膝関節の問題ではなく筋肉のコリで膝に痛みを感じることがあります。
怪我やスポーツ障害
怪我やスポーツで膝に強い衝撃が加われば、何かしら壊れることは想像できます。
ですが、強い衝撃が加わったわけではなく、いつも行っている普段の動作や練習中の動きでも傷めてしまうこともあります。
この場合、組織(筋肉、軟骨、腱など)が徐々に損傷していることに気づかずにおり、蓄積された損傷が許容範囲を超えた時に故障することがあります。
このような不調があれば、その部位の負荷を減らしたり、練習前後のケアを徹底することで故障リスクを下げられます。
またスポーツでの動作不良や骨格の歪みは、特定の筋肉や関節に負荷がかかりやすくなっていることもあり、その改善も必要です。
ただし、動作不良は対戦相手に動作を見えにくくさせたり、判断を誤らせる動作かもしれません。
関節に負担をかけない動作が、勝てる動作ではない可能性があります。
このような場合、選手生命を短くしてでも勝ちを優先させたいのか、生活に支障が出るリスクを避けるのかは、個人の判断になります。
微細損傷の確認方法
動作時に感じる少しくらいの痛みで、いつものことだと異常を無視しがちです。
ですが、それが蓄積し重症になる可能性があります。
それを防ぐには、日頃から自分の体の調子を知ることが予防につながります。
以下のことを習慣化させていると、今日の調子の良し悪しに気づけます。
・関節や筋肉を触り、硬さや張りの有無
・ストレッチ痛の有無
・圧痛部位の確認
このような故障リスクを高める要因があった場合。
その部位に自身で軽めのストレッチやマッサージをおこなった後に再チェックします。
そして、痛みや違和感がいつもより減らない場合は要注意。
休息や疲労抜きが必要です。
またスポーツであれば、運動強度を低くするか、負担をかけない運動種目に変える必要があります。
壊してしまって長期的な戦線離脱となれば、元も子もありません。
骨格の歪み
骨格に歪みがあると、歪みを代償する動きが発生し、負荷がかかりやすい部位が生じます。
臨床的には、骨盤が後傾している方が多いですが、その場合ハムストリングスや殿筋が硬い事が多いです。
ハムストリングスが硬くなり萎縮すれる膝が伸びにくくなります。
また、硬い人は硬くない人と比べて、その部位に疲労が溜まりやすく損傷リスクを高めます。
そして、それらの筋肉と協調して働く腰に痛みも生じやすくさせます。
日常動作による負荷の蓄積
日常動作による負荷の蓄積は、日頃の姿勢不良や動作不良があります。
動作不良では、立ち座りでの膝の屈伸時に膝の内・外反の動作があります。
姿勢不良では、男性だとあぐら姿勢、女性だと横座りがあります。
あぐら姿勢
あぐら姿勢は、背中が丸まるだけではなく、膝関節を内反させ、O脚となるような力が働き、膝関節の内側が圧迫されます。
膝にそのような癖がつくと歩行時などでも膝の内側に圧迫が加わり、内側の半月板や軟骨が擦り減りやすくなります。
横座り
横座りの姿勢は、体幹の側弯と左右の膝には外反と内反の力が加わり、左右の骨盤の歪みが強くなります。
アヒル座り
アヒル座りでは、膝が外反しX脚になるような力が働いて、膝関節の外側が圧迫されます。
自然治癒しない
日常動作からの軟骨の擦り減りは、すぐに痛みがでるわけではありません。
関節軟骨が徐々に擦り減りっていても気づきにくく関節の変形が進行します。
年月が経過し擦り減りや変形が強くなり痛みが生じた場合に、問題なのは一度擦り減った半月板や軟骨は自然治癒しない点です。
このような変形による痛みは、ずっと続かず変形が沈静化すれば痛みは治まりますが、変形は残ります。
その時点からケアを始めても、変形が弱い人と比べると痛めるリスクが高くなります。
また、その歪みからの影響で他の部位の故障リスクも高くなります。
これらの予防には、家でくつろぐ姿勢だと椅子に座るようにし、日常動作ではその改善が大切です。
ヒアルロン酸注射
膝を痛めて病院を受診した際に、膝関節にヒアルロン酸の注射をうつことがあります。
この注射の役割は、主に痛みの抑制や悪化予防のために行っており、関節軟骨を再生させるものではありません。
ヒアルロン酸注射とは、コチラ(外部サイト)
整体での役割も痛みの改善や悪化予防となり、軟骨や半月板が修復することはありません。
病気
病気による膝関節の痛みは、関節を変形させる関節リウマチ、痛風、blount病、くる病などがあります。
このような病気による関節の変形は、病院での血液検査と画像検査が必要です。
整体を受けても、これらの病気が治るものではありません。
整体での疼痛緩和には、定期的な施術が必要です。
うるまカイロでおこなうことは、膝関節の負担が減る施術です。
痛みを緩和させる為に膝関節周囲の筋肉を緩める事や、骨格の歪みを改善させていきます。
トリガーポイント
トリガーポイントとは、筋肉や筋膜にできる硬縮箇所です。
単一の筋肉が硬くなっている意味でのコリとは、やや異なります。
その筋肉のあるポイントを押圧し際に圧痛や放散痛、関連痛が生じます。
また、同じ筋肉でも1cmズレたポイントを押圧しても、そのように感じません。
膝痛が生じるトリガーポイント。
トリガーポイントで膝痛を感じる筋肉は、膝関節やその近位に付着する筋肉になります。
・大腿直筋
・内側広筋
・外側広筋
・大腿二頭筋
・大腿筋膜張筋
・腓腹筋
・ヒラメ筋
・膝窩筋
膝痛になる損傷組織
膝痛になる損傷組織は、以下のものがあります。
・筋挫傷や肉離れ
・靭帯損傷
・軟骨損傷
・腱の炎症(腸脛靭帯炎、鵞足炎など)
・滑液包炎(関節包の炎症)
筋挫傷や肉離れ
膝関節に付着する筋肉を傷めると膝に痛みが生じやすくなります。
筋挫傷と肉離れは、どちらも筋肉の損傷です。
筋挫傷は、外力による筋肉の損傷。(例:打撲)
肉離れは、自身の動作で筋肉が伸ばされ過ぎて筋肉や筋膜が切れる損傷です。
損傷による痛みは、トリガーポイントのように関連痛として表れる場合と防御反応により生じます。
筋肉が損傷した際に、その筋肉が働くと痛みが生じるため、防御反応として関節を固定しようと筋肉が収縮します。
これらの筋肉が収縮しつづける為、膝関節に圧迫を加えてしまいます。
また、それが長期に続けば、トリガーポイントが生じる場合もあります。
靭帯損傷
関節は、2つ以上の骨の連結で、靭帯は関節周囲や関節内の骨に付着しています。
靭帯の役割は、関節が逸脱しないように働きと動きの安定にかかわっています。
膝の靭帯損傷は、外部から関節への強い衝撃や動作不良により損傷します。
その靭帯が損傷すると、炎症が起こり痛みが生じます。
膝の靭帯は4種類あります。
・前十字靭帯(大腿骨に対し脛骨の前方移動を抑制)
・後十字靭帯(大腿骨に対し脛骨の後方移動を抑制)
・内側側副靭帯(膝関節の外反を抑制)
・外側側副靭帯(膝関節の内反を抑制)
軟骨損傷
膝関節は、大腿骨と脛骨という骨が組み合わさっている関節です。
膝の軟骨は、関節軟骨と半月板の2つあります。
軟骨は大腿骨と脛骨の関節面の両方にありますが、半月板は、脛骨の上にだけ付着しています。
これらの損傷は、外部からの衝撃と荷重時に捻りが加わった場合に損傷することがあります。
また、歩行や筋トレ時、スポーツ動作などで接地時に膝関節の内反や外反となっていれば、内・外側半月板への負荷が不均等となり、大腿骨の関節軟骨の擦り減りや半月板が損傷しやすくなります。
関節軟骨
関節軟骨は、関節表面にあり、その役割は、衝撃吸収、摩擦抵抗の低減があります。
半月板
半月板は、脛骨の関節面にあり、月のような形が名前の由来になっています。
膝関節の内側と外側にあり、軟骨のようにがっちり固定されておらず関節面上で遊びがあり、関節の動きに合わせて動ごきます。
その役割は、荷重の分散、衝撃吸収、関節の安定化、摩擦抵抗の低減があります。
腱の炎症
滑液包炎
膝痛で整体を利用される方
・病院の受診でお薬や貼り薬しか処方されない人。
・リハビリ期間を過ぎた人。
・手術をしたくない。
・自力で歩きつづけたい。
・悪化予防。(筋肉を緩め、歪みの改善)
整体でできる事、できない事
傷めて間もない時期(急性期)で歩けないほど痛みが強い場合は安静。
歩ける程度の痛みであれば、防御反応を抑える為に早めのケアを勧めます。
膝の痛みの対処法としては、痛みが強ければ「安静」にし、熱感があれば「冷やす」のがよいです。
そして症状が改善したら、「温める」、リハビリや悪化予防のためにも適度な運動が必要です。