膝関節の水を抜く理由
膝が痛くなり膝に水が溜まると、病院では水を抜くことがあります。
それは以下のことが理由にあります。
・劣化した関節液の抜き替え
・関節動作の改善
・関節液の検査
関節液の劣化
膝関節の水とは、基本的には関節液のことをいいます。
関節液は、機械類のオイルと同じような働きがり、関節動作の摩擦を抑える働きがあります。
関節周囲の組織を痛めた場合、その部位を修復しようと血液が集まります。
その血液の成分が、関節液に混じると関節液を劣化させてしまいます。
これは機械のオイルに水を混ぜて使用するのと同じようなことが起こります。
劣化より関節が摩擦しやすくなり、関節軟骨が劣化しやすくなります。
病院では、劣化を防ぐために溜まった関節液を抜きます。
また、抜いたあとにヒアルロン酸を注入することもあります。
また、損傷部位が治っていない場合には、水を抜いた後に関節内の水は劣化した関節液は溜まっていきます。
定期的に水を抜くのは、これを防ぐために行っており、病院の売り上げアップの為ではありません。
関節動作の改善
膝関節を痛めた場合、膝に水が溜まることがあります。
この水とは、関節液だけの場合とさきほどの血液成分が混じった場合があります。
関節液は関節包という関節内に関節液を留める袋の中に納まっています。
関節内が損傷し血液成分が関節包の中に流れだすと、関節包は次第に膨らんでいきます。
これが慢性化すると関節包が伸びて袋が大きくなり水が溜まりやすくなります。
関節包の中で液体がいっぱいになると関節包の遊びがなくなることや関節周囲の腱や靭帯が引き伸ばされた状態になり、関節動作を妨げてしまいます。
膝の水を抜くとこのような妨げが減るので、動作痛が改善します。
関節液の検査
関節液が劣化していない場合、注射で抜いた関節液の見た目は無色透明です。
関節液を抜くと劣化状態が目視でき、それを判断するために行なっています。
また、関節の水が溜まっていても、関節液の状態が悪くなければ、水抜きはストップする場合があります。
膝関節は良くなっているのに、水が溜まりやすくなっている原因は、以下の理由があります。
・関節包の拡大。
・関節液の循環不良。
整体でできること
関節に水が溜まりやすい理由に、関節液の循環不良があります。
通常、関節液の循環は関節動作が補助しています。
関節液は、関節包内の滑膜から血液を使って作りだされます。
吸収は、歩行時や膝関節を曲げ伸ばしする際に関節軟骨に圧迫と弛緩が加わることでおこなわれています。
また、関節液の成分が血液であることから患部周囲の血液循環が阻害されると関節液が停滞しやすくなります。
これは、体の無意識な反応です。
関節を傷めると動作時に痛みが生じますが、体は痛みの抑制や悪化防止のために筋肉を働かせて関節を固定しようとします。
そして筋肉が働いている間は筋肉が硬くなります。
血管は、筋肉の間を通っており、血管周囲の筋肉が硬くなると血液の循環不良がおこり、関節液の循環も妨げてしまいます。
この収縮はある程度、痛みがおさまるまで続きます。
また、関節周囲の筋肉が硬くなると関節内の損傷部位を圧迫しつづけ、治りを遅くさせます。
筋肉を緩まる整体をおこなうことは、この循環不良を改善させ関節液をたまりにくくさせることと損傷部位の圧迫を減らし、治りやすくします。
治りにくくさせる要素
膝の痛みを治りくくさせる要素に、
・負荷のかけすぎ
・過度な安静
・老化
・変形の有無や強さ
があります。
負荷のかけすぎ
当然ですが、膝関節に負荷をかけすぎれば、治りにくくし、場合によっては患部を悪化させます。
整体を受けているから負荷をかけすぎても大丈夫という訳ではありません。
過度な安静
関節に痛みがあると痛いからという理由で、膝を動かさないようにしてしまいがちです。
傷めてまもない時期は、損傷部位を治すために安静は必要です。
ですが、膝が痛いからずっと歩かないでいると治りを遅くさせるか、治らないこともあります。
関節液の循環には、膝の関節軟骨に圧迫が加わる歩行動作が必要です。
リハビリの開始時期は損傷度に合わせて異なりますが、安静のしすぎは回復を遅延させてしまいます。
痛くても動かすことが膝の治りやすさを早めます。
老化による治りにくさ
老化は、修復力の低下と運動不足による筋力低下があります。
修復力の低下は、加齢が進むほど低くなります。
また、傷める前に運動不足で筋肉が細そいと、関節を固定する力が弱いため、不安定になり関節に負荷がかかりやすくなります。
老化による修復力の低下は、普段の生活不良で落としていることがあり、それを改善させることは、治りやすくさせます。
できれば傷める前から定期的な運動をしていた方がよいのですが、運動習慣がない場合には痛みに合わせて運動することで関節を安定させ痛みを改善させやすくなります。
痛みに恐れが強い方は、運動での動作痛を怖がりすぎますが、プールを活用して歩くことでそれを和らげることができるので、プールでの歩行をお勧めします。
変形の有無や強さ
膝の痛みを何もせずにほおっておくと、軟骨が擦り減るリスクは高くなります。
そしれ軟骨が擦り減ってしまった場合、擦り減った分が元に戻ることはありません。
その場合は病院の手術で骨を削り人口関節に置き換えることができれば、解消できることがありますが、手術にはリスクがつきものです。
痛みがでたら早めにケアを始めることが肝心です。